ある大学の入学式で、ある映画監督が祝辞を読んだそうだ。
その全文が公開されていたので目を通したが、その中で、
「ロシアを悪者にすることは簡単だが、ロシアにもウクライナにも正義がある。
一方的な意見に左右されて本質を見誤っていないか、「悪」を存在させることで安心していないか」
という旨の発言があった
(これは要約なので、全文は各自検索して確認してほしい)。
今回の侵略戦争で、ロシアに正義はない。
その理由は明確で、ロシアが国際法違反を犯しているからだ。
ロシアにもウクライナにも正義がある、と考えるのは自由だが、個々人の考えによるのでは収拾がつかない。
だからこそ、物差しとしての国際法が存在し、今回それに違反したロシアは悪である。
むしろ、「ロシアにもウクライナにも正義がある」という考え方こそ、
一方的な意見に左右されて本質を見誤る、紋切り型の内容しか口にしない陰謀論者のような考え方だ。
戦争犯罪に限らず、犯罪行為において、色々な意見を聞いたり、自分の頭で考えるということは危険だ。
たとえば、殺人は悪とされるが、なぜ悪なのだろうか。
自分の家族や恋人や友人を皆殺しにした人間を復習で殺すことも悪であるが、それはなぜだろうか。
その理由は一つで、「法にそう書いてあるから」だ。
さまざまな事情や個々人の価値観や信念がせめぎ合い、絶対的な正義や絶対的な悪が存在しない中では、
多数派の意見を法としてまとめ上げ、そこに掲載された行為を悪とするほかない。
もし法というものがなく、個々人の考えのみを拠り所とすれば、確信犯は正義として殺人を実行するだろう。
それを認めないために法が存在し、それは国際法も同様だ。
一方的な意見に左右されることなく考えた結果、ロシアに正義はない。
それが、この祝辞を聞かされた若き学生たちの思いであることを、オレは願わずにいられない。
【今日のまとめ】
「国際法」とは何か、という話にもなるのだが。
というわけで。
- 2022/04/13(水) 21:49:26|
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