きのう、NHKで吃音をテーマにしたドラマを見た。
見たと言っても途中からの視聴だったので、番組紹介のあらすじを頼りに追いかけたのだが、いい話だったと思う。
吃音の描写がリアルだし、吃音を「乗り越える」ことをテーマにしていないからだ。
過去に何度か書いているが、オレは吃音である。
オレと親しい人は分かると思う。
主にヤ行・ラ行・ワ行が苦手だ。
もっとも、自分の名前が上手く言えないことも多いので、特定の音韻には限られない。
ほかの多くの吃音の人間もそうだろうが、吃音者は言い換えを好む。
オレの場合、「ロシア」が言えないので、わざと「ソ連」と言い、ぼけたり間違えたふりをする。
吃音で有名なバイデン大統領が「オバマ」を言えず「マイボス」と言ったエピソードは有名だが、
これは典型的な例だ。
その他、遠回しな言い方をしたり、名前を忘れたふりをして周りからその単語が出るのを引き出すことも多い
(不思議なことに、誰かがその単語を一度言ってくれると、追随してオレもその単語をすんなり言える)。
オレは、吃音を理解してほしいとか、吃音なので大目に見てほしいとか、そういうことは思っていない。
単に、上に書いた吃音の特性や、オレが吃音であることや、吃音の人がいることを知ってほしいだけだ。
オレ自身がほかの障害を持つ人を理解したり、大目に見たりできていないのに、
吃音だけ特別扱いしろなどと図々しいことは言えない。
オレがもし吃音ではなく、吃音について何も知らない状態で吃音の人が話すのを見たら、きっと驚くだろうし、もしかしたら笑ってしまうかもしれない。
理解してくれなくてもいいし、大目に見なくていいから、知識として知ってくれればそれでいい。
それだけでも、オレをはじめ、吃音の人間はだいぶ楽になる。
ほかの障害の人もきっとそうだろうから、オレは知っていきたいと思う。
【今日のまとめ】
優しさは必要ない。というわけで。
- 2021/03/21(日) 20:07:45|
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