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冤罪と死刑

袴田事件の再審決定が出たというニュースを目にした。
よかったと感じると同時に、これだけかかるのか、という絶望感も同時に覚える。

確たる証拠もないのに死刑判決を受け、長い間外界と遮断された袴田氏の苦しみもさることながら、
袴田氏を「犯人」と決め付けている間に真犯人を発見するチャンスを失い、
真相を究明できなくなった遺族関係者の苦痛も計り知れない
(この数十年の間に、真犯人がこの世からいなくなっている可能性も少なくない)。

死刑という刑罰は、冤罪によるリスクが最も高い。
冤罪でありながら死刑執行に至った事件も、世に出ないだけでいくつもあるだろう
(むろん、そのようなケースを国が認めることは絶対にありえないが)。
これが、死刑は廃止すべきだとオレが考える唯一の理由である。
AIなどにより100パーセント客観的な捜査が行えるようになるまでは、死刑というシステムには無理がある。

自分が家族を殺されたら同じことが言えるのか。
死刑廃止と言うとだいたいこのような反論を受けることになるが、
オレがそのときどう思うかは、実際にそうならなければわからないし、
そもそも、これは刑罰という社会的なシステムの話なので、オレがどう思うかはそもそも関係ない。
たとえオレが遺族として被告人が死刑とならないことがどれほど苦しかろうと、
死刑というシステムの是非は別枠で語る必要がある。

刑罰は恨みを晴らすためのシステムではない。
むしろ、恨みを晴らすためのシステムであるなら、窃盗でも死刑が妥当ではないだろうか。
個人的な感情で言うなら、オレは自分の大事なものを盗んだ人間がいたら、その人間に死んで償ってもらいたい。
そうした人は多いだろうが、それは成立しない。
刑罰は社会的な制裁であって、個人的なそれとは違うからだ。

最高刑としての死刑それ自体をオレは否定しない。
だが、冤罪のリスクがある限り、それを首肯もできない。
単に、それだけの話だ。

【今日のまとめ】
変な人権派団体に与するつもりもない。

というわけで。
  1. 2020/12/23(水) 17:15:02|
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