先日、Twitterを眺めていたら、東スポの記事に田原成貴氏のインタビューが載っていて驚いた。
田原氏は元騎手・調教師だが、2000年代初頭に覚醒剤で逮捕され、競馬界から追放されてしまった。
その後、ネット上で目撃情報は上がっていたものの、本人による発信はまったくなかったところに、今回の記事である。
オレは田原氏の騎手時代はリアルタイムで見ていないが、
競馬ファンになったのがまだ騎手引退から間もない時期だったこともあり、映像でその華やかな騎乗ぶりに魅せられた。
上記のツイートの通り、田原厩舎のファンクラブにも入会していたほどだ。
それもあって、彼の公式なインタビューを目にすることができたのはうれしい限りだ。
彼の騎手時代のレースで一番好きなのが、この1996年の洛陽ステークスである。
掛かり癖のあるフジワンマンクロスを、田原は外枠を活かしてしばらく周囲に馬のいない状態で走らせ続けた。
いわゆる「外ポツン」である。
そして、勝負どころの3コーナーでスムーズに内に取り付いて先頭に立ち、そのまま逃げ切った。
フジワンマンクロスは7番人気で、単勝オッズは20倍であった。
現在でも横山典弘騎手などがこのような「奇襲」作戦を行うことはあるが、
田原成貴氏のそれは、一見突飛なプレーに見えながらも、理論にしっかりと裏打ちされた合理的なものだ
(彼の書籍などを読めば、多くの名騎乗がわかりやすく解説されている)。
華やかさの一方でそうした理論的な部分を持ち合わせていた彼は、
「天才」と呼ばれてはいたが、実際にはこの上ない頭脳派であったと思う。
競馬界を追放されなければ、今ごろは調教師として、あるいは解説者として活躍していたかもしれない。
そう思うとやはり残念だが、
刑に服し、罪を償い終えた人に対して文句をつけるべきではないだろう。
いまは、インタビューで彼の言葉を再び聞けたことに、ただ感謝したい。
【今日のまとめ】
黒の軍団チーム田原。というわけで。
- 2020/12/18(金) 17:54:01|
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