先日、藤田菜七子騎手がGIレースに騎乗したことがニュースになっていた。
もちろん女性騎手だからこそ注目されたというのは大きいのだが、
いち競馬ファンとしては、単純に、若手騎手がGIレースの人気馬に乗り、
負けはしたが好成績を残したということに興奮を覚えた。
ここ数年、いや10年近く、若手が大レースに出たり、勝つということがほとんどない。
藤岡康太が20歳でNHKマイルカップを勝ったのも、もう10年近く前だ。
かつては、武豊や横山典弘、田中勝春や松永幹夫、岸滋彦、そして岡潤一郎など、デビュー数年のうちに大レースを勝利する騎手が大勢いた。
2000年代に入ってからも、和田竜二や渡辺薫彦など20代前半の若手騎手がクラシックを賑わせた。
だが、ここ数年は、そういう機会がまったくない。
オレと同い年の三浦皇成は、いまだにGIを勝てていない。
一昨年に松山弘平が皐月賞を27歳で勝ったが、それが平成生まれの騎手の初GI制覇であり、その後は誰も勝っていない。
それは外国人騎手の台頭やベテラン騎手の活躍の長期化、
エージェント制による有力馬の囲い込みなど、いろいろな理由がある。
オレは、それを否定したいわけではない。
だが、決して腕がいいとは言えない若手が大きいレースを勝ち、そこから成長するという場面をオレは見たい。
騎手の巧拙も予想の重要なファクターなのだから、それを楽しんでもいいはずだ。
今回の藤田菜七子の騎乗は、まさにそうした楽しみを与えてくれた。
満点の騎乗ではないかもしれないが、
馬の特性を理解し、レース展開にも賭けたいい騎乗だった。
結果的にペースは流れず負けてしまったが、もしペースが速くなればもっと上位に食い込めたかもしれない。
GIを勝つには、そうした賭けも必要だ。
初騎乗のGIで良いレースをしたことで、彼女は今後もGIで乗る機会をもらうことになるだろう。
去年あたりから、競馬ファンの間では、
もはや彼女はアイドル的存在でなく、ひとりの有力な若手騎手として注目されている。
その流れは、さらに加速するはずだ。
彼女以外の若手騎手にも、大レースに騎乗するチャンスがより多く与えられることを期待したい。
【今日のまとめ】
あらためて分かる熊沢のすごさ。というわけで。
- 2019/02/21(木) 20:00:00|
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