ネットやテレビを見ていて何度も目にする光景のひとつに、
「作者の気持ちを答えよ」という問題への批判、というものがある。
たいてい、「そんなもの分かるわけがない」とか、
作者自身が出てきて、「私の気持ちが選択肢にない」と笑ったりする。
しかし、オレは、そういう問題が実際に出題されているのを目にしたことがない。
少なくとも、小学校から高校にかけて、
オレはそんな問題は見なかった。
「この部分から想像される作者の気持ちを答えよ」という問題なら見たことがある。
だがそれは、あくまで「想像される作者の気持ちを 」なので、
本当の作者の気持ちではない。
周辺の描写から合理的な答えを導き出すことが出題の目的なので、
論理的思考を育てる国語教育の観点からしても、おかしいとは感じない。
また、センター試験などでは、
「作者の気持ちとして最も適切なもの(適切でないもの)を選べ」
という問題が出ることがある。
これも、置かれた選択肢の中で最も適切なもの(適切でないもの)を選ぶだけなので、
どれかが作者の真意であるとは一言も書かれていない。
結局のところ、みんな、それを曲解し、
「作者の気持ちを答えよ」だと思い込んでいるだけだ。
実際には存在しない問題を空想し、それについて批判しているだけなのだから、
これはまさに無駄な消耗にほかならない。
【今日のまとめ】
昔はあったのかもしれないが。というわけで。
- 2018/12/06(木) 20:00:00|
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