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競馬の公正

先日のJRA騎手試験で、名手ジョアン・モレイラが不合格になった。
残念な知らせだが、それが試験である以上仕方がない。

このニュースに際して、「モレイラのような名手に筆記試験を課すのは馬鹿げている」とか、
「モレイラより実績の低い外国人や地方の騎手が合格したのにモレイラが受からないのはおかしい」という意見を耳にしたが、
オレはおかしいとは思わない。
日本の競馬のシステムでは、こうする以外に方法がないと思われるからだ。

これに関連して、よく、
「日本の騎手はいつでも海外に長期遠征できるのに、外国人騎手は短期免許を取得しないと来日できないのはおかしい」という意見も耳にする。
だが、これもやはり、欧米などの海外と日本の競馬のシステムの違いに起因している。

ジョッキークラブや競馬場は競馬を開催するだけで、馬券を販売するのはブックメーカーや馬券発売公社であるという国と、
競馬主催者であるJRA自身が馬券も発売しているこの日本では、求められる公正のレベルが異なる。

仮に競馬の公正を揺るがす事態が発生した際、それはギャンブルの根幹をも同時に揺るがすこととなるが、
前者の国々では、「我々はただ競技をしているだけで、それをギャンブルに仕立てているのは他の団体だ」と言い訳ができる。
日本でいえば、これらの国の馬券はサッカーくじのようなものだ。
しかし、日本では主催者であるJRA(や各地方競馬)が自らギャンブルを提供しているので、その言い訳が使えない。
だからこそ、公正な競馬実施のために、ともすれば硬直的で厳しすぎるほどの規制が必要になるのだ。

日本の競馬場では、パドックや本馬場入場での観客の呼び掛けに騎手や厩務員が反応することすら許されない。
もし反応すれば騎手は無期限の騎乗停止になるし、厩務員も厳重に処罰される。
これは当然、競馬の公正の確保のためだ。

そのような国で、もし外国人ジョッキーが競馬場において、日本人には理解できない言葉で誰かとコンタクトを取ったならば、それだけで公正が揺らぎかねない。
そのため、外国人騎手のJRA騎手試験には日本語でのコミュニケーション能力が要求されているし、
短期免許での来日であっても、身元引受人の存在が義務付けられているということになる。
鎖国だとか外国人差別ではなく、公正維持のためにこれ以外の方法がないのだ。

技術だけでなく人柄も素晴らしいモレイラがJRAの騎手になれば間違いなくスターになるだろうし、
JRAも、本来ならモレイラをいち早く正式に所属させたいはずだ。
だが、日本の競馬が公営ギャンブルである以上、
たとえモレイラといえども、騎手試験における優遇措置を取ることは困難、いや不可能なのである。

【今日のまとめ】
蛯名はダービーを勝ってから調教師になってほしい。


というわけで。
  1. 2018/10/18(木) 20:00:00|
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