先週土曜日の新潟の競馬で、山田という新人騎手がレースの距離を間違え、無期限の騎乗停止処分になった。
要するに、長距離のレースで、まだもう一周あるのに、一周目でゴールしたと思って馬を止めかけてしまったのである。
過去の例からしても処分はいずれ解除されるだろうが、それが一定の長期にわたることはやむを得ないだろう。
前代未聞の事件のように思わせて、こうした事例は日本だけでも数度起きている。
戦時中の1944年に行われた菊花賞では、すべての出走馬がコースを間違えて(つまり距離も間違えて)しまい、競走が不成立になったという事件があった
(もっともこれは、主催者が使用コースの変更を十分に周知していなかったことによる人災という側面もある)。
また、昭和後期には、ある騎手が、東京競馬場に当時存在した右回りレース用のゴール板を左回りのゴールと誤認してそこで馬を止めてしまい、やはり長期の騎乗停止になっている。
有名な例が、アメリカの名手ケント・デザーモが、1993年のジャパンカップで、残り100メートルの標識をゴール板と誤認して手綱を緩めてしまったというものだ。
前述の例も合わせ、これも広い意味では距離誤認に含まれるだろうし、
デザーモは同日の午前中のレースでも同じミスを犯した(という疑いがある)ので、
現在であれば、油断騎乗を理由とする、より重い制裁が加えられていた可能性もある。
もっとも有名な例は1997年のステイヤーズステークスであろうが、これは諸説あるので、気になった人はYouTubeなどでレース映像を確認してほしい。
こうして見てくると、レース距離やゴール板の誤認は、やはり前代未聞ではなく、定期的に起きてしまう事象のように思われる。
公正競馬のためには絶対に起きてはいけないことだが、
そうはいっても、競馬が人間のプレーによる競技である以上、やはり起きてしまうということだ。
関係ない話だが、オレも以前、高速道路を走っていた際に、出口と間違えてその手前のバス停に侵入してしまったことがあった。
そこにバスは停車していなかったので事故は免れ、そのまま本線に戻ることができたが、あわや事故という出来事だった。
許されることではないが、それとは別として、実際にそういうことが起きてしまうという事実は、常に頭の片隅に置いておかなければならない。
【今日のまとめ】
馬が無事だったのは何より。というわけで。
- 2018/10/17(水) 20:00:00|
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