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ただ「わからない」、という状態

ここ数年、SNSやインターネット上の記事を見ていて感じるのは、
「わからない」という状態を嫌う人間が増えたということだ。
どんな物事でも白黒はっきりつけなければ気が済まない人間が増えているようにオレには思える。

世の中には、ただ「わからない」、という物事が無数に存在する。
もちろん、客観的な真実や、それに限りなく近いものは存在するが、
ほとんどの場合、それを可視化することは不可能だ。
その結果、白とも黒とも断定できない、ただ「わからない」ということが答えとなる物事が存在することになる。

それは、あくまで「ただ『わからない』」というのが最終的な答えなのだが、
その答えは切れ味が悪いので、そのことを素直に認められない人間は少なくない。
そうした人間は、突き詰めれば、白か黒かがはっきりするのではないかと考えてしまう。

ある事件において、当事者が内心でどう考えていたかということは、基本的にわかりようがない。
供述が得られたとしても、その供述内容が真実かどうかは、結局は信用性の判断になってしまうし、
もし当事者が死亡していたり供述できない場合には、もはや新たにわかることは何もない。
そうでなくても、「証拠がなく、どちらとも断定できない」ということは日常茶飯事だ。
もしこの世に神がいて、すべての物事を見透かしてくれていれば話が早いが、残念ながら神はいない。

昨年、ある事件において、世間は、ある女性を擁護する人間と、あるジャーナリストを擁護する人間に分かれた。
だが、この事件において、オレたちが言えるのは、「ただ『わからない』」というだけにすぎない。
女性が嘘を言っているかどうかはオレたちにはわからないし、
同様に、ジャーナリストが嘘を言っているかもオレたちにはわからない。
どちらを叩くことも擁護することも、オレたちにはできない。
しかし、多くの人間は、それを認められなかった。
その結果、当事者たちを差し置いた論争が繰り広げられたが、言うまでもなく、それは無駄な消耗であるにすぎない。

オレたちが無駄な消耗を避けるためにできるただ一つのことは、「ただ、『わからない』」という状態を認めることだ。

【今日のまとめ】
わかったところで特に得るものもない。


というわけで。
  1. 2018/07/14(土) 18:27:46|
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