怠惰と汗と現実と

キムラヤスヒロ(鳩)公式ブログ

オレたちには、他人の決定権を奪う権利などない

神奈川の病院で数十人の患者が不審死した事件で、元看護師が逮捕されたというニュースを目にした。
まだ事実関係が確定したわけではないので、オレはその件については直接何も言わないし言えない。

その件について、別の看護師を名乗る人物が、Twitter上で連続したツイートを行い、それがまとめとしてトレンドになっていた。
その人物は、逮捕された看護師に同情する旨ツイートしていた。

その人物によれば、延命治療を受けている人物はたいてい意識がなかったり、衰弱して苦しんでおり、
家族が年金を受け取るためであるとか、相続の揉め事を防ぐために無理やり生かされているのだという。
だから、死なせてあげる方が彼らにとってはいい、とツイートされていた。

だが、意識がなかったり、衰弱しきっている人が「死にたい」と思っていると、どうして分かるのだろうか。

病院に勤めているわけでもないオレより、看護師の方が患者の気持ちはよほど理解しているだろう。
しかし、意識がなかったり、意思疎通が満足にできない人が、「死にたい」と思っているかどうかは、
超能力者でもないかぎりわかりようがない。

もちろん、延命治療を受けている人々の中には、早く死なせてほしいと思っている人も多いだろう。
だが、その中には、たとえ苦しむそぶりを見せていたり、植物状態のようになっていても、
自分の家族のために、苦しんででも経済的に得をさせてやりたいとか、相続で迷惑がかからないようにしたいと考えている人も少なくないはずだ。

むろん、その真相はわからない。
だが、それはあくまで「わからない」という状態があるにすぎず、答えを一つに決められるものではない。
一つに決められないということは、少なくとも、彼らが「死にたい」と考えている、と決めつけることもできない。

他人の気持ちを考えることは、人間が社会的動物である以上欠かせないことだ。
だが、それはあくまで考えることだけが許されているのであって、
推測した他人の感情に基づいて他人の決定権を奪うことは許されない。

もし、「延命治療を受けている人たちはきっと死にたいと思っているだろう」という思い込みで患者の命を奪うことが正当化されるなら、
「障害者はいないほうがいい」という理由で多くの人が殺傷された一昨年の相模原の障害者施設での事件や、
「救済」の名の下に「ポア」が行われたあるカルト教団の犯行まで、正当化されることになってしまう。

繰り返すが、オレたちには、他人の決定権を奪う権利などない。
それは、たとえ相手が意思疎通のできない人間であっても同じことだ。
そのような権利があると思い込むことは、無駄な消耗の極みである。

【今日のまとめ】
可能な限り、意思疎通ができるうちに「どうしてほしいか」を形に残すべきだ。


というわけで。
  1. 2018/07/09(月) 18:46:56|
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