天皇賞はレインボーラインが勝った。
レース後にすぐ岩田騎手が下馬し、故障が発覚したのは残念だったが、命に別状はないらしい。
最後の直線のコース取りは岩田騎手以外取り得ないもので、
あのコース取りでなければ勝てなかっただろうし、レース後にすぐ馬を止めることもできなかっただろう。
二重の意味で好判断だ。
レース自体は面白かったが、古馬路線のレベルについては疑問が残る。
昨年キタサンブラックに太刀打ちできなかったメンバーで回していくようでは、スターホース不在の暗黒時代の到来にもなりかねない。
宝塚記念には香港のワーザーが来るそうだが、これに勝てる日本馬がいるのだろうか。
そして、秋の古馬GI戦線はどうなるのだろう。
レインボーラインは、しばらくレースに出ることが難しいかもしれない。
スワーヴリチャードは強いが、春に安田記念と宝塚記念を使った場合、秋の王道路線を完走するのは困難だろう。
現状では、ダノンプレミアムやラッキーライラック、アーモンドアイといった3歳馬の力に期待するしかないのが苦しいところだ。
天皇賞で3着だったクリンチャーは、凱旋門賞に向かうらしい。
これは嬉しいことだ。
日本のGIで負けてもヨーロッパのGIに出走するという考えは、非常にいい。
それは、日本とヨーロッパの競馬のレベルは互角だと陣営が考えていることを意味するからだ。
たとえば、「天皇賞で負けたから、宝塚記念や秋の天皇賞、ジャパンカップへの出走は断念する」などという陣営はいないだろう。
だが、これがヨーロッパのレースへの「挑戦」となると、こうした選択が平気で起こる。
日本の大レースを勝って、はじめてヨーロッパに向かう資格があるという固定観念だ。
これは、「ヨーロッパのレースは日本よりもレベルが高いから、日本のレースで勝てないようでは勝負にならない」という考えが前提になっている。
そもそも、「挑戦」という単語自体、より高いレベルの壁を乗り越えるというニュアンスだ。
実際には、日本競馬のレベルはヨーロッパにとっくに追い付き、既に互角だ。
互角なのだから、天皇賞や宝塚記念で3着だった馬が日本で秋のGIを勝てるように、ヨーロッパのGIだって勝てる。
クリンチャーの陣営は、そう考えている。
それは嬉しいことだ。
もっとも、いまだにそう考えていないホースマンが大勢いるという事実は残念でもあるが。
ダービーまであと一ヶ月を切った。
ダノンプレミアムはダービーを勝つことができるだろうか。
それとも、まったく予期しない馬が時代を牽引するのか。
こうしたことを考える楽しみを毎年与えてくれるのが、競馬というスポーツの楽しさだ。
【今日のまとめ】
そろそろ雨のダービーがありそうで怖い。
というわけで。
- 2018/04/29(日) 23:33:26|
- 競馬
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0