先日、SNS上で、「小学校では道徳よりも法律を教えるべきだ、その方が思想信条の押し付けにもならない」という旨の意見を目にした。
オレもそう思う。
少なくとも、憲法、民法、刑法の基本的な知識は、義務教育で教えるべきだとオレは思う。
勘違いしないで欲しいが、オレは別に司法試験やその他公務員や法律職の試験のような難しい勉強をしろと言っているのではない。
単純に「こういう場合はこうだ」ということを覚えるだけなら、小学生でも可能だ。
たとえば、刑法の基本的な知識を覚えるだけで、いじめは一定程度減少するだろう。
こうした行為は傷害罪で、何年以下の懲役だとかいうことを教えれば、
少なくとも、「このくらいなら許される」という無知でクラスメイトを殴ったり蹴ったりしていた生徒は、それをしなくなる。
道徳や倫理は、相手の感情を想像することが必要となる。
それは生きる上で必要なことだが、発達障害の人間やサイコパスには、そうした想像が困難であることが多い。
道徳や倫理に基づく行動を教え込むことは、彼らやその周囲の人間にとって不幸な結果をもたらしかねない。
それよりも先に、「この行為は、法律ではしてはいけないことに決まっている」と教育すれば、
少なくとも機械的に違法な行為を避けさせることができる。
その後で、「なぜその行為は法律で禁止されているのか」というフォローアップを行えば、それは道徳や倫理の勉強にもなる。
オレは大学の法学部法律学科を卒業した。
しかし、法律学科で法律をみっちり教え込まれたかというと、そんなことは全くなかった。
ロースクールの既習者コースも、法律を既に学んできたことを前提に授業をしている。
法律家を養成する専門職課程でさえそうなのだから、現状、基本的な法律を受動的に教え込まれる機会はこの国においてまず存在しない。
教員の新たな養成が必要とはなるが、義務教育における基本的な法律知識の教育は今後欠かせないものとなるだろう。
【今日のまとめ】
憲法教育は野党から批判されそうだが。というわけで。
- 2018/04/27(金) 20:00:00|
- 法学
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0