先日のエントリにおいて、漫画の違法アップロードサイトに対する出版社の行動の消極性について書いた。
ちょうどその件につき、昨日、大手出版社の一つが、「緊急声明」というタイトルの声明をリリースしていた。
Twitterなどで「緊急声明」で検索すれば、すぐに一次ソースに当たることができる。
オレはそれを読んで愕然とし、失望した。
そこには、この期に及んでなお、「公式コンテンツを充実させることで違法サイトを駆逐する」という旨が一言も記されていないのである。
権利侵害により莫大な損害が出ていること、違法サイトに対し法的措置も辞さないこと、ただそれが書かれているだけだ。
この声明を見て、オレたちは何も反応することができない。
権利侵害により莫大な損害が出ていることはもう知っているし、
出版社が違法サイトに対して法的措置を取るべきであることももう知っている。
オレたちは違法サイトの管理人ではないので、そんなことを今さら言われたところで、何も得るものがないし、何もできない。
百歩譲って同情はできるが、出版社はそんなことを求めているのだろうか。
先日のエントリにも書いた通り、違法サイトを倒す手段は一つしかない。
違法サイトよりも便利で質のいい公式コンテンツを提供することだ。
そうした公式コンテンツが提供されれば、ユーザーはわざわざ不便で、それも違法なサイトなど見ることはない。
違法サイトのPVが皆無になれば、違法サイトの運営者も運営のメリットがなくなるので、わざわざ違法サイトを作ることもなくなる。
だが、現状では出版社はそれをせず、目の前に現れる違法サイトを一つ一つ駆除しようとしている。
それは、ゴキブリの巣に目もくれず、部屋に現れたゴキブリをたった一匹殺して喜んでいるようなものだ。
それでは、戦いは永遠に終わらないし、すぐに次のゴキブリが現れる。
つまり、権利侵害による損害は永久になくならない。
必要なのは、巣ごと駆除するか、あるいはゴキブリが現れない環境を構築するかのどちらかである。
このように書けば、きっと、「そんなに簡単なことではない」とか、「現実的でない」という反論が起こるのだろう。
だが、いかに難しく非現実的であろうと、それを実現しなければ現状は改善されない。
そこから目を背けるのであれば、もう漫画が読めないのは残念だが、出版社は潰れるしかないだろう。
【今日のまとめ】
電子版が同時発売でない出版社はもはやアウト。
というわけで。
- 2018/04/14(土) 20:00:00|
- 日記
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0