以前のエントリにも書いたことのある、日本の漫画を違法アップロードして無料で閲覧可能にしているサイトがGoogleによりブロッキングされたとのニュースを目にした。
著作権侵害の申し立てがあり、Googleの検索結果にそのサイトが表示されなくなったという。
これはいいことなのだろうか。
違法サイトが閲覧できなくなったのだから、いいことなのだろう。
だが、これで何かが解決したのかというと、そうは思えない。
オレは当初、日本の出版社たちが協力しあい、違法サイトよりも便利な漫画閲覧サイトを構築し、
それにより質の面で違法サイトを圧倒し駆逐する、という流れを想像していた。
なぜ違法サイトが多くの人間に閲覧されるのかといえば、公式サイトよりも便利だからである。
公式サイトの方が便利なのに、わざわざ不便な違法サイトを見る人間はいない。
だから、便利な公式サイトを作ってしまえば、ブロッキングなどせずとも、違法サイトは誰にも見られなくなる。
この方法なら、似たようなサイトが他に現れても、それらにいちいち対処する必要もない。
出版社はそれを望んでいて、その望みに則った手段を講じるのだとオレは思っていたのだ。
だが、現実にはそうはならず、冒頭に記したような結果になった。
出版社たちはその結果に安心し、現状の不便な公式サイト群を再構築することは今後ないだろう。
何もせずあぐらをかいていても、当該違法サイトは見られないからだ。
その結果、漫画の読者は音楽や動画コンテンツという他の娯楽に流出するかもしれない。
不便なサイトを使うしかオンラインで漫画を読む方法がないのなら、無理に漫画にこだわる必要もないからだ。
それに、ブロッキングを解除する手段はいくらでもあるので、
少しコンピュータに詳しい人間は引き続き当該サイトを閲覧し続けるだろうし、
仮にいまニュースになっているサイトがこのまま閉鎖されても、
似たようなサイトが法律をかいくぐる形で再び出現するだろう。
この出版社の消極性は、無駄な消耗である。
今や、テレビ局も民放各局が協力し、スマートフォンのアプリでテレビドラマを見ることが可能になっている。
出版社も似たような方法が取れるはずだが、その気配はない。
きっと、権利関係が複雑だとか、印税を含む金銭面の問題だなどと言うのだろうが、
そのようなほとんど空想に近い理想を追い求めた結果、現実に得ているものがマイナスでしかないだから、
これを無駄な消耗と言わずして何と言うのだろうか。
【今日のまとめ】
オレは電子ペーパーでしか読まない。というわけで。
- 2018/04/12(木) 20:40:42|
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