先日、Twitterで、こんな内容のツイートを目にした。
「飲酒運転だと罪が重くなるのに、強姦などの性犯罪で加害者が飲酒していると罪が軽くなったりするのはおかしい」というものだ。
一見もっともなようだが、これは別におかしくはない。
危険運転致死傷と通常の過失運転致死傷は、そもそも構成要件が異なる別の犯罪だ。
飲酒運転を含む危険な運転の罪を例外的に重くしているということで、
これは、一般的に心神耗弱として罪が減刑される方向に働きやすい飲酒を罪の加重の要件とした特殊なケースだ
(実際に、これは刑法から独立した別個の法律に規定された犯罪となっている)。
他方で、性犯罪において加害者が飲酒していると罪が軽くなりうるというのは、
飲酒により責任故意が阻却されうるという刑法一般の話で、性犯罪に限ったことではない。
窃盗であろうが暴行であろうが、飲酒していれば罪が軽くなりうる(もちろん、それは各個の事例ごとに異なる)。
つまり、冒頭のツイートは、特殊な例と一般的な例を比較している点で、そもそも比較になっていない。
ミスリードを狙ったのではなく単に知識がなかっただけだろうが、比較になっていないことは事実だ。
勘違いしないで欲しいが、オレは法律の知識がない人間をあげつらって批判したいわけではない。
単に、誤った知識をもとに主張をしても、それが何の主張にもならず、無駄な消耗になると言いたいだけだ。
これはオレ自身、無駄な消耗を避けるために日々注意しなければならないことでもある。
【今日のまとめ】
故意にミスリードを狙う人もいるのでタチが悪いが。というわけで。
- 2018/03/29(木) 20:00:00|
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