漫画が違法アップロードされ、無料で読めるサイトが社会問題化しているのを受け、
政府が、そうした海賊版サイトの通信遮断を検討しているというニュースを目にした。
通信の遮断が法的にどのような根拠で行われるのかや、それが権力の濫用に繋がるのではないかという話はここでは置いておくが、
これは無駄な消耗なのではないかとオレは思う。
なぜ海賊版サイトがこれだけ閲覧されるのかと言えば、海賊版サイトの方が便利だからだ。
無料で、コンテンツが豊富で、画質も悪くなく、インターフェイスも優れている。
出版社や作家公式のサイトよりも便利なのだから、海賊版サイトを見る人が減らないのは当然だ。
違法サイトを見ることに対するモラル面での批判は当然あるだろうが、
遵法精神やモラルというものは、法律や倫理道徳を教え込まれて初めて芽生えるものだ。
全員がそれを身につけることを期待しても、無駄な消耗に終わるだけだ。
だから、出版社や作家は、海賊版サイトよりも便利で、あるいは優れているサイトを作らなければならない。
出版社や作家のサイトの方が海賊版サイトよりも優れていれば、
遵法精神やモラルを身につけていない人も、公式のサイトに飛び付くことになる。
それを「現実には難しい」などと言っているようでは、永遠にこの問題は解決しないだろう。
答えは明らかで、必要なのは、海賊版サイトよりも優れたサイトを作るための工夫と努力だ。
国が海賊版サイトの通信遮断を行うことは、そうした工夫と努力の余地を奪う。
現状のままで海賊版サイトが見られなくなれば、出版社や作家は横着し、
海賊版サイトを凌駕する公式サイトを作る努力や工夫がなされることはなくなる。
そんなことをしなくても、海賊版サイトは見られないからだ。
だが、それは、単に「みんな漫画を読まなくなる」という結果を生むにすぎない。
「海賊版サイトがないなら公式のサイトを使えばいい」という流れを作るには、あまりに現状はハードルが高い。
それに、通信が遮断されたところで、人はそれを掻い潜るだけだ。
国による海賊版サイトの通信遮断は、そうした誰も望まない結果を生む。
それは、明らかに無駄な消耗だ。
【今日のまとめ】
周囲で利用している人はそもそも見ないが。というわけで。
- 2018/03/19(月) 23:21:27|
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