オレの2枚目のミニアルバム「主に、オレの望みと喜びで。」がリリースされて一週間が経った。
売り上げは大好評とはいかないものの、
もしCD-RやプレスCDにして在庫を保有するとしたら少し勇気のいる枚数が既に売れている。
オレは、「在庫が余らず、かつ在庫切れになることがない」というデジタル配信のメリットをうまく享受できていることになる。
興味深いのは、売り上げに比較して、ストリーミングでの再生数がかなり多いということだ。
買った人がダウンロードせずにストリーミング再生しているという可能性もあるが、
どちらかといえば、購入せずに聴いている人が多いという可能性の方が高いだろう。
前作「愛って暗いね、ナハトムジーク。」の発売から約5年4ヶ月が経ち、音楽をめぐる環境は大きく変化した。
それは、音源を買わなくなったということだ。
音源を買わなくなったというのは、違法ダウンロードが増えたことを意味しない。
合法的に、無料かそれに近い形での音楽再生が可能な環境が整備されたということだ。
YouTubeにアクセスすれば人気アーティストの新曲のビデオを無料で見られるし、
サブスクリプション制の音楽サービスを利用すれば、無料や安価な月額で好きなだけ好きな音楽を聴くことができる。
オレのミニアルバムも、Bandcampのサイトにアクセスすればスマートフォンから直接ストリーミング再生が可能だ。
興味を持ってもらえたとしても、わざわざ買うというところまではなかなか達しないということだろう
(もっとも、これは前作の頃にもあったことで、
「いつも聴いている」と言ってくれているのに、オレはその人に音源を売った覚えがないということが何度かあった)。
これは一面では寂しく厳しいことだが、反面、優位な点もある。
購入した音源と違い、このようなインターネット上の音源は散逸しないという点だ。
購入した音源では、過去に買ったCDやデータを聴きたいのにそれがどこに行ったか分からなくなったり、場合によっては破損して再生できなくなることがある。
時には、買ったことさえ忘れていたということさえあるくらいだ。
だが、ネット上の音源では、元のサービスが終了するとかデータが削除されない限り、どこにあるか分からないという事態は生じない。
聴きたいとさえ思われれば、検索で簡単に辿り着けるからだ。
「聴きたいが、どこかに行ってしまった」という機会がないというのは、作り手にとってはありがたいことだ。
「そもそも聴きたくない」という相手はもともとターゲットにできないが、
せっかく「聴きたい」と思ってもらったのに結果的に聴いてもらえないというのはあまりにも大きな機会損失だ。
それを高い確率で防ぐことができるという意味で、現状はプラス要素の方が大きい。
売っている以上、買ってもらうに越したことはない。
だが、現状を直視し、その上でどうするかを考えずにただ嘆くことは、無駄な消耗だ。
【今日のまとめ】
オレ自身も買わなくなった。
というわけで。
- 2018/01/27(土) 23:33:21|
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