今日は1月の気温だったとニュースで耳にした。
外に出てみると、冷たい空気が肺に刺さる。
実際に何か匂いがあるわけではないが、これがまさに「冬の匂い」だとオレは思う。
匂いは、記憶と密接に結びつく。
視覚や聴覚、味覚などで何かを思い出すことも少なくないが、
オレは嗅覚によって何かを思い出したり、他の感覚が刺激されることが実感として最も多い。
街で、昔好きだった女がつけていた香水に似た香りが漂うと、その女を思い出す。
おそらくもっと一般的なところでは、夏に夕立が降り始める前の埃っぽい匂いで、ノスタルジーを刺激されるというものがあるだろう。
先日とある場所で、紙に包まれた冊子を大量に開封する作業をしたのだが、
オレはその時、その紙の匂いで腹が減るという体験をした。
なぜ腹が減るのか初めは自分でもわからなかったが、後になってふと気付いた。
その包み紙は、マクドナルドの紙袋と同じ匂いだったのだ。
紙袋自体は食べ物ではないのに、
マクドナルドでハンバーガーやポテトフライを買って持ち帰った時に必ず嗅ぐことになるあの紙袋の匂いで、オレは腹が減ったのだった。
オレは、紙袋の匂いを嗅ぐとハンバーガーが与えられるように条件付けられていたということだ。
まるでパブロフの犬である。
これはどこか卑しい例だが、匂いというものはそれだけ強烈に記憶と結びついている。
VRの時代になり、家庭やイベントスペースなどでも、視覚や聴覚では既に現実世界と遜色ない体験ができるようになってきた。
あとは味覚、そして嗅覚だろう。
今はもう行けない場所や会えない相手を、その時の匂いで追体験する技術が普及すれば、多くの人間が救われるとオレは思う。
それは無駄な消耗とは対極にあるものだ。
そのような対極を集めていくことが、衰退を遠ざけることになるとオレは考える。
【今日のまとめ】
ジョイフル本田の紙袋でも腹が減る。というわけで。
- 2017/12/06(水) 23:27:47|
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