NHKで「ネットリンチ」の特集をされているのを目にした。
実際には無関係なのに殺人事件の犯人であると名指しでネットの掲示板に書き込まれた芸人と、
ある人物の代理人になったことがきっかけでネットで殺害予告を書き込まれ続けている弁護士が出演し、
ネットリンチがなぜ起こるのか、どのように防止すべきかなどが語られていた。
ネットリンチはいわゆる私刑であって、あらゆる社会において認められていないものだ。
ネットリンチはよく「いじめ」に例えられるが、ネットリンチといじめは異なるとオレは思う。
もちろん、いじめはその多くが犯罪であって許されないものだ。
だが、いじめはいわば単なる犯罪であって法で禁止されたものだが、
ネットリンチはそれを超えた、社会のシステムに反して許されないものだからだ
(ネットリンチ行為の中には法律で禁止された行為も多いが、それは別の問題だ)。
それをしてはいけないという法律があるから許されないのではなく、
権力に代わって私人が私人に罰を下すことは、近代以降のいかなる社会においても許されない行為だ。
ネットリンチについて、よく「自分が被害に遭ったわけではない行為を糾弾するな」と批判する人間がいるが、問題はそこではない。
良し悪しや被害の有無にかかわらず、私的復讐は許されない。
ネットリンチ行為の一つに、「特定」がある。
炎上行為などを行った人間の氏名や住所や勤務先や学校や顔写真などの個人情報を割り出し、ネット上に掲載する行為だ。
これにより「特定」された人間のプライバシーは強く侵害され、時には命を奪うことにも繋がる。
オレは、「特定」をする人間は、嫌がらせが目的というよりも、「特定」という行為そのものが楽しいのだと思う。
相手が隠したがっていることを暴くことは、歪んでいて許されはしないが、好奇心や探究心の現れだ。
「特定」を防ぐ方法が一つある。
オレのように、本名や顔や大まかな住所を自分から開示してしまうことだ。
オレは本名でTwitterやブログやメールマガジンをやっていて、住んでいる市も公開している。
もしオレが炎上行為を行ってしまったとしても、オレを「特定」することはきっと楽しくない。
既にオレの名前は判明していて、顔も分かるし、どこに住んでいるかも大方分かる。
暴いてやったという爽快感がないので、オレはきっと「特定」されないだろう。
もちろんオレはそのためにある程度の個人情報を開示しているわけではない。
だが、隠しているからこそ知りたくなるのが人間で、
それが「こいつは悪い人間なのだから暴いてもいい」という心情に繋がるのは紛れもない事実だ。
様々な事情で個人情報を隠さなければネット上での活動が難しい人は多いだろうが、
「特定」のリスクを負うという無駄な消耗を避けるというメリットを考えれば、
実名で顔を出して活動してしまうということも一つの選択肢だとオレは思う。
【今日のまとめ】
ドメインは「.com」がいい。というわけで。
- 2017/11/13(月) 23:55:10|
- 日記
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0