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電子書籍の時代に、「文庫本」という括りに意味はない

ある出版社の社長が、自社の文庫本を図書館に置かないように図書館側に要請したというニュースを目にした。
文庫本の売上げが図書館により減少しているというのがその主張の根拠だそうだ。

オレは図書館が苦手なので、その根拠が本当かどうかはどうでもいいが、
ベストセラーの本を数十冊も仕入れているような図書館の存在を考えれば、一定の場合においてはその通りなのかもしれない。
どんな人でも本に触れられる機会を設けるのが目的であればせいぜい数冊を置けばいい(そのうち一冊は貸出禁止にすればいい)し、
図書館は市場では手に入りにくい資料に触れることのできる点に価値があるので、
ベストセラー本を、少なくとも何冊も置く必要はないだろう。
先日ノーベル賞を受賞した外国人作家の本が図書館で5年待ちになっているというニュースを目にしたが、
そこまでして図書館で読みたいという人は、ゲームの縛りプレイのように、意地でも金を出して買わないということなのだろうか。

気になったのは、その出版社の社長が要請を文庫本のみに絞ったという点だ。
むろん、交渉術として主張を絞るのは当たり前ではあるが、
現在の書籍を取り巻く環境を考えると、「文庫本」という括りをすることにどれほどの意味があるのか疑問だ。

いまでは電子書籍が徐々にシェアを伸ばしつつあり、オレもほとんどの新刊は電子書籍で買っている。
持ち運びが容易でどこでも読むことができるし、鞄の中でかさばったり折れ曲がる心配もない。
そうした電子書籍で文章を読む際、それが文庫本であるか単行本であるか、あるいは新書であるかなど、オレは気にしない。
いや、気にしないという以前に、電子書籍においては基本的にそれらの区別がないのだ。

販売されるパッケージとしては文庫や新書の区別はあるが、
それを電子書籍リーダーで開けば、自動的に自分の指定した文字サイズや行間に合わせて誌面がレイアウトされるので、判型というものがそもそも存在しない。
出版社などの都合で、同じ本が単行本版と文庫版の両方で電子化されているケースもあるが、
一部の加筆修正を除けば、電子書籍リーダーで開いてしまえばどちらもまったく同じなのだ。

そう考えると、少なくとも電子書籍においては、文庫や単行本や新書という区別はほとんど意味をなさない。

出版不況(オレはこの言葉自体に懐疑的だが、みんな使っているので使わせてもらう)をベースにして上記の主張をするのなら、
当然、文庫本の売上げが低下したことを示すデータには電子書籍における文庫本の売上げも含まれていなければいけないが
(なぜなら、電子書籍のほうで売れているのであれば、「売れなくなった」という主張がそもそも成り立たない)、
先に書いた通り、電子書籍を購入する人間は、買う本が文庫本であるか単行本であるか新書であるかは気にしていないし、気にしようもない。

そうでありながら、「文庫本が売れない」ということを理由にして図書館での扱いを禁止するという主張は、意味のない無駄な消耗なのではないかとオレは思う。
たとえ交渉術として範囲を絞ったにしても、それはむしろ自分の首を締める主張になっているからだ。

【今日のまとめ】
文庫版あとがきが追加されていたりすると悩む。


というわけで。
  1. 2017/10/15(日) 20:00:00|
  2. 日記
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