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キムラヤスヒロ(鳩)公式ブログ

責任を負う覚悟がないのなら、作品を公表すべきではない

ある大学の研究室が論文中に引用した文章が、その執筆者からの指摘を受けたことで炎上したという出来事が最近あった。
「pixiv 論文」などのワードで検索すればすぐに出てくると思うので、知らない人は検索すればすぐにわかる。

論文での引用には著作権が及ばないし、
オレが見る限り、今回の論文における文章の利用は著作権法上の「引用」に当たるものだ。
引用に当たらない転載は許可がない限り著作権を侵害するので、「禁無断転載」という記載は意味があるが、
引用はそれが引用である限りそもそも許可を要しないので、「禁無断引用」という文言は意味をなさない。

そして、「この論文での利用は引用ではなく転載なので著作権を侵害する」と著作権者が主張する場合は、
当然ながら、著作権者の側で引用に当たらないことを立証しなければならない。

こうした知識や理解を日常生活の中で得ることは難しいので、
オレはやはり著作権法も義務教育で教えるべきだと思う。
憲法と著作権法は生きていく上で必要な知識だ。

引用なのはわかっているが、今回はそのやり方が問題だったのだ、と言う人もいるのだろう。
今回引用された文章はいわゆる「18禁」の文章で、
それが論文のような一般的な媒体で公開されることを著作者は望んでいない、ということだ。
しかし、マナーや倫理としてそれが問題だったとしても、上記の通り、それは法的には問題がない。
マナーや倫理は個人や特定の集団によって異なる曖昧なものなので、それに基づいた線引きはできない。
たとえば、同じような文章を引用した場合でも、その作者が別に何も気にしなかったのであれば、今回のような炎上は起きなかった。
どのような場合にマナー違反でなく、どのような場合にマナー違反かという明確な線引きが存在しない以上、
結局は法に沿って動くほかない。

何かを作り、公表するという行為は、それ相応の責任を伴う。
たとえば、このエントリもオレの著作物なので、引用することが可能である。
上記の通り、引用は許可を要しないので、オレはそれを拒否したり、それが正当な引用である限り削除を求めることはできない。
また、著作権とは直接関係がないが、もしこのエントリが誰かの名誉を毀損する内容であるということになれば、
オレは損害賠償請求を受けることになるかもしれない。
そうした責任に対する意識は、ここ数年、SNS等の媒体で簡単に著作物を投稿できるようになって以降、薄れてきたように思われる。

本来、そうした責任を負うという覚悟がないのなら、作品を公表すべきではないのだ。
これは、作品のジャンル特有の風潮や意識などとは関係がない。
程度に差はあっても、どんな作品であっても、一定の偏見や批判から逃れることはできないからだ。

【今日のまとめ】
一言言っても良かったとは思うが。

というわけで。
  1. 2017/05/29(月) 23:49:34|
  2. 日記
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