「手わすら」というのは方言らしい。
オレが小学生の頃、複数の教師が「手わすらするのはやめなさい」というように言っていた。
それは初めて聞いた言葉だったが、小学生でも文脈で理解できた。
要するに、手を持て余して何かを触ったり遊んだりすることを「手わすら」と言うのだ。
もっとも、それが方言だということを知ったのは今朝である。
たまたま辞書で「手」にかかわる別の単語を引いていて、そういえば「手わすら」という言葉は載っていないなと思いネットで調べたところ、
茨城弁や栃木弁として出てきたのだった。
オレの住んでいるのは茨城県だが、県境であることもあって、いわゆる茨城弁は少ない。
いまのNHKの朝ドラは茨城が舞台で、茨城弁を話す人物が多く出てくるが、
オレは彼らのような言葉を話せないので、まったく親近感が湧かない。
オレの住むエリアでは、たいていは標準語か、むしろ栃木弁が強く出る
(もっとも、標準語であっても北関東訛りがあることは多い)。
そのため、いわゆる「方言」は少なく、
たまにこの「手わすら」のような単語が混じっていても、標準語だと思い込んでしまうのである。
オレは自分で「手わすら」を使ったことはないが、もし東京で使ったら、きっと通じずに困っただろう。
もっとも、「方言」というのは「その地方の言葉」という意味なのだろうが、
SNSの利用率が高い現在では、それも形骸化しているような気がする。
SNSで方言を無意識に(場合によっては意図的に)使う人は多い。
たとえば、北関東出身の有名人がTwitterで「手わすら」という単語を何度か用いたとして、そのツイートが拡散されたとする。
それを見た他の地方に住む人が、「手わすら」を自分の知らない標準語だと思うか、
あるいは方言だと知りつつも面白いと思い、真似をして使うようになれば、
「手わすら」はその瞬間に(少し大げさだが)全国区になる。
そうなると、もはやそれは方言ではない。
そうした例は、具体例を挙げるまでもなく、既に数多く生じている。
方言とは、もはや前時代的な表現なのかもしれない。
それにもかかわらず、「これは方言だろうか」などといちいち考えるのは、無駄な消耗であろう。
【今日のまとめ】
「ごじゃっぺ」は数年前に知った。というわけで。
- 2017/05/09(火) 20:37:13|
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