あるタレントが、「自身の所有する古いCDをふと見たら、ディスク内部のアルミが腐食して再生不能になっていた」
旨をブログに書いていて話題になっている。
その人物はCDを多く収集しているようなので一般人より保管に気を遣っていただろうが、
そうした恵まれた保管状況でも、CDその他の光ディスクはそう長持ちしないということだ。
CDはフィジカルではあるが、アナログではない。
物としての所有感はあるが、それはあくまでデータを記録したデジタル媒体であって、
レコードのように物体に物理的に音源が刻まれているわけではない。
その意味では、ダウンロードで購入してハードディスクに保存されたデータとの違いはさほどない。
もっとも、ハードディスクに保存されたデータはバックアップは容易だが、
たとえばCDを500枚持っているとして、そのCDを全てCD-Rにバックアップするのは到底無理だ。
以前、先輩から数百枚のCD-Rをハードディスクにインポートする作業を頼まれて引き受けたが、
ただ取り込むだけでもかなり面倒な作業だったことを覚えている。
そうしたことを考えると、アナログ盤とハードディスク上のデータを両方持っておくことが最もいい。
データはバックアップが可能なので、
たとえばクラウド上に保存すれば、ハードディスクが破壊されたり、燃えたり、流されたりしてもサルベージが容易だが、
もしクラウド上のデータまでトラブルで消失すればそこで終わってしまう。
他方、アナログ盤は消えることはないが、物理的に破壊されたり、燃えたり、流されたりすればそこで終わりだし、
経年劣化や消耗のリスクも高い。
データとアナログ盤は、互いの欠点を補完できる関係にある。
しかし、CDはそこに割って入れない。
中途半端なのだ。
デジタルデータを保管する入れ物でありながら、アナログ盤以上に経年劣化や消耗のリスクが高い。
長期的な保存がはじめから想定されていないのである。
結局、そんな中途半端なCDが今でもまだ生き残っているのは、
DVDやブルーレイディスクと形状が同じだからだろう。
無くす理由がないから無くならないだけだ。
逆に言えば、そのくらいしかCDが生き残っている理由はない。
【今日のまとめ】
昔、CD型のチョコレートがあった気がする。というわけで。
- 2017/02/10(金) 20:34:06|
- 日記
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0