福島の原発事故で疎開した児童が小中学校でいじめを受けているというニュースを数件目にした。
担任が生徒を「菌」呼ばわりしたというものは衝撃的だったが、
そうした報道により、似たような被害を受けた生徒や保護者が告発した結果、その他の事件も報道されるに至ったのだろう。
報道により少なくとも新たにいじめが増えるとは思えないので、それは悪いことではない。
もっとも、それが本当に「いじめ」なのか、という疑問も残る。
いじめではなく犯罪だ、という話ではなく、
疎開してきた生徒に暴言を吐いたり避けたりしている生徒が、それを根拠のないものだと認識できているか、ということだ。
「放射脳」という単語がある。
これを低俗なものと受け取る人も多いと思われるので詳しくは書かないが、
原発や放射線被害について、根拠のない迷信を信じ切っている人間だ。
SNSを見る限り、それは社会に出ているまともな大人の中にも一定数存在する。
そうした人間の子供たちは、本気で、
福島から疎開してきた生徒が何らかの菌を持っていたり、あまり近付かない方がいいと考えている可能性がある。
親からそう教えられているからだ。
その場合、たとえ報道により「いじめ」がなくなったとしても、
その親は、「表立って『菌』なんて言ってはいけないよ、でも本当のことだからあまり近付いてはだめだよ」としか諭さないだろう。
こうした人々に、そんなものは根拠のないデタラメだと説明したところで効果はない。
「そうやって弁明するということは、真実を隠している」と解釈し、より懐疑的になるだけだからだ。
だからこそ、たちが悪い。
勘違いしないで欲しいが、オレは、いじめる側がいじめだと思っていないのだから仕方ないと言っているのではない。
ただ、もし本当にそうであった場合、この問題の解決はきわめて難しいだろう。
いじめだと認識しているのなら、叱るなり警察に通報するなりしてやめさせることは可能だが、
いじめの認識がなく、かつそれが「放射脳」によるものであるならば、彼らは何がいけないか理解できないのだ。
【今日のまとめ】
水素水も飲んでいそうだ。というわけで。
- 2016/12/16(金) 20:57:24|
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