先月から、JRAによる「実践競走馬学」という講座を受講している。
座学は今日の講義で終了し、今月末の東京競馬場での生観戦をもって講座は終了するが、
得たものはそれなりに大きかった。
JRAの職員は中央競馬の馬券を買うことができないので、競馬に興味のない人間が多いのではないかとオレはかねてから考えてきたが、それはオレの不見識だった。
少なくとも、この講座で講師を勤めた人々は、その誰もが我々以上の競馬ファンだったと言っていい。
むしろ、馬券を買えなくなろうとも日本の競馬を支えていくという情熱を持った人々が集まっているのだろう
(ただし、競馬の番組編成については、
やはり馬券を買えるファンの気持ちをどうにも汲めていないとしか思えないものが多いと思われるが、
そこはもはやどうしようもないのかもしれない)。
それを知ることができただけでも、参加した意味はあった。
講義の中で印象に残った話がひとつある。
それは、「馬運車と衝突事故を起こすとどうなるか」という話だ。
高速道路などでJRAの馬運車を見かけることがあるが、とりわけ「競走馬輸送中」と書かれた車は、実際にレースに出る馬をトレセンや競馬場に運んでいる。
もし、自分の過失によりそうした馬運車と接触や衝突の事故を起こせば、
サラブレッドは大変高価だから、損害賠償額はとんでもない額になる。
たとえ競走馬が無傷であったとしても、馬運車が壊れれば馬をすぐに競馬場に運ぶことはできなくなり、
最悪の場合、予定していたレースに出走できなくなる。
そうなると、レースに出走できていた場合の賞金を賠償することになるが、
JRAの方の話によれば、それは3着賞金だそうだ
(これはJRAの規定かどうか分からないので、もし過去の事例における裁判所の判断だったとすれば、
被害を受けた馬の実績や出走するレースにより変わるのかもしれない)。
重賞やGIレースになれば3着賞金でも数千万円になることも多いので、賠償は大変だ。
また、馬がもし怪我をしたり死んでしまえば、出走予定だったレース賞金に加え、
馬の購入価格や、その馬が将来稼いだであろう賞金まで賠償しなければならないことになる。
それはどんなに安くとも億は軽く超えてしまう。
競馬ファンとしては、路上で馬運車を見かけるとテンションが上がり、思わず並走したり近づいたりしたくなるものだが、
上記のようなリスクを考えると、むしろ車間距離を長めにとらないといけない。
【今日のまとめ】
極めて実践的。というわけで。
- 2016/11/17(木) 20:00:00|
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