SNS上で、大学を4ヶ月で辞め、起業を決意した青年のブログが話題になっている。
大学を辞めて起業するという決断は、オレにはとうてい真似の出来ないことだ。
そのことはどうでもいいが、オレが引っ掛かった点は別にある。
それは、彼がどうやら、高校を卒業して大学に行くことや、大学を卒業して就職することを、
「レールに沿った人生」という、あたかも「何も考えずに生きていれば自然にそうなる道」であると定義しているという点だ。
もはや多くの人間がおそらく理解している(もし理解していないなら、おそらく生きてはいけないだろう)ことだと思うが、
高度経済成長期やバブル期にどうであったかは知らないが、そのような「レール」は現在はほとんど存在しない。
高校を卒業しても大学に行けなかったり、行ったとしても奨学金という名の多額の借金を背負う若者は多く、
大学を卒業した学生が容易に就職することができないことは、もはや社会問題のレベルにさえなっている。
無借金で大学に行ったり借金を返済するには、親の所得状況という生まれ持った運や自らのアルバイトなどの努力が必要で、
大学を出て就職するには、言うまでもなく運や能力や努力がすべて試される。
今の世の中では、何も考えずに生きているバカは大学入学も就職もできずにただ死ぬだけであって、
自動的に大学を卒業し企業に入ることのできるレールなど、一般人には用意されていない。
それが用意されているのは、親が金持ちで、かつ運のいい一部の人間だけなのだが、
彼の周囲には、おそらくそうした一部の人間しかいなかった結果、彼はそうしたレールが当たり前に存在すると思ったのだろう。
繰り返すが、レールに沿うもなにも、そのようなレールなど普通の人間にはまず敷かれていない。
起業をすれば、彼は当然そうした一部の人間ではない、レールの敷かれていない人生を歩んできた人間を客として相手にすることになるだろうが、
そうした人間の存在を認識してこなかった彼にとって、それは異質な、恐怖の対象としか思えないはずだ。
驚くべきことに、彼が起業してどのようなビジネスをするのかはブログには書かれていないが、
もし成功するとすれば、親が金持ちで、かつ運がいい一部の人間だけをうまくターゲットにしたビジネスだけだろう。
だが、そのようなビジネスの成功例をオレは知らない。
【今日のまとめ】
DMVのような人生が良い。というわけで。
- 2016/09/17(土) 20:00:00|
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