文章は、大きく分けて、「書かなければいけないことを書く文章」と、「書きたいことを書く文章」の二種類がある。
前者は、たとえば試験がそうだ。
試験の解答用紙に、その時なんとなく考えていたことを適当に書くことはできない。
書くべきことは問題に対する答えであると決まっているから、それを書かなければいけない。
また、物語もそうだ。
小説などは、作者が書きたいことや思ったことを好きに書いているように思われがちだが、
実際は、書かなければいけないことしか書いてはいけない。
物語の上には、物語に必要な要素以外の存在は許されない。
その物語を成立させるために書かなければいけないことはあらかじめ決まっていて、それが欠けていたり、余計なことが足されていると、もうそれは異なる物語になってしまう。
無数に浮かんでくるアイデアから少しでも不要な要素を削ぎ落とし、これ以上削ったらもう小説として成立しなくなるというレベルまで削ったものだけが初めて小説として成立する。
その意味では小説は試験の答案と同質のものだ。
他方で、書きたいことを書く文章、それはこのブログが一つの好例だ。
ブログはそもそも書かなくてもかまわないものなので、これを書かなければいけないという制約は存在しない。
書きたいことを書く以外になく、そうでなければ書く意味もない。
その書きたいことがうまく世間のニーズと合致した人間は、ブロガーとして食べていけることもあるという、ただそれだけのことだ。
当然ながら、オレはこれまで、このブログには自分の書きたいことしか書いてきていない。
それは一面において責任感のない気の抜けたものであることも意味してしまうが、
他方で、混じり気のないオレの思考をかなり忠実にトレースした成果物でもある。
将来オレが歳を取ったとき、かつての思考を振り返る良い教材になってくれることを期待しつつ、オレはこのブログを書いている。
【今日のまとめ】
メルマガは後者の極致だ。
というわけで。
- 2016/08/23(火) 21:07:37|
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