先日も触れたある著名な自称経営コンサルタントのニュースに際して、
巷では「学歴なんて関係ない」という意見をよく目にするようになった。
話している内容が素晴らしければ、その話し手が海外の一流大学を実際に卒業していなくとも関係がないと、そうした人間は言う。
だが、本当にそうだろうか。
世間で一流大学出身者のコメントが重宝されるのは、単に経歴が飾りとして格好いいからではない。
それは、一流大学ならではの教育を受けた人間の話を聞くことによって、
そうした教育を受けることができない大多数の聞き手も、
間接的にそのエッセンスを享受することができるという期待があるからだ。
一流大学での教育や研究の水準は、少なくとも独学で肉薄できるレベルではない。
つまり、出身者の話を聞くだけでも大金が動くような教育が、それらの大学では行われているということだ。
もちろん、話し手が、自らが教育を受けた経験をまったく反映していない内容しか話さないこともある。
だが、「一流大学を出た人間が、あえてその経験を話さない」ということはできても、
その反対に「一流大学を出ていない人間が、一流大学での経験を話す」ということは、言うまでもなく不可能だ。
その不可逆性ゆえに、「高学歴の人間が話す」ということは、それだけで意味があるのだ。
そして、高学歴の人間の講演料や出演料が高いのは、ひとえに彼らのそうした経験に対する期待を反映したものだ。
聞き手が求めるのは、単なる「素晴らしい話」ではなく、
「一流大学での経験を汲み入れた素晴らしい話」なのだ。
単なる素晴らしい話からは、ハーバードや東大の教育のエッセンスは得られない。
だから、高学歴と言っていた人間が実はそうではなかったという事実は明らかに問題があるし、
「学歴なんて関係ない」というのは間違いで、関係は確実にある。
そもそも、自分も大学を出ている人間が、「学歴なんて関係ない」と言うのは、それ自体恥ずかしいことだ。
それは、「自分が大学で学んだことで、他人にフィードバックできるものは何一つない」と言っているに等しい。
学歴に意味がないのではなく、自分が意味のないことをせずに学歴だけを手に入れたというだけのことだが、
そうしたことを堂々と言ってしまうような人間が、それに気付くことはない。
【今日のまとめ】
オレは「学歴は関係ある」と言いたいだけで、ショーンK自体は好きだ。
というわけで。
- 2016/03/19(土) 21:58:11|
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