先月、ある女性タレントの不倫問題がニュースを賑わせていた。
オレは別にそのこと自体はどうでもいいが、そのニュースに対する周囲や世間の反応を見ていて、興味深いことに気付いた。
端的に言えば、
彼女の不倫について彼女を猛烈に叩いている人たちは、主に普段彼女が出ているテレビ番組を頻繁に見ているような層で、
逆に、「プライベートなんだから関係ない」と彼女を擁護している人たちは、あまりテレビを見ないような層であるということだ。
統計を取ったわけではないから例外もあるだろうが、傾向としてはそれで間違っていないだろう。
少し前の「イメージと人間性」について触れたエントリで、彼女が多くのCMに出演していたことについて触れたが、
スポンサーを介した彼女の顧客は、彼女が出るテレビ番組やCMの視聴者だ。
彼女が出ているCMを見て商品を欲しいと思う視聴者が一定数いるからこそ、
彼女が多くのCMに出演できるという関係が成り立っている。
だが、上に書いたように、その顧客たちは、こぞって彼女の不倫を叩く。
彼女を擁護する人たちは、彼女の客ではないので、そちらにフォーカスしても仕事につながらない。
これが一般人であれば、
自分を無責任に批判ばかりしてくる嫌な人間は無視したり、距離を取ることができるし、むしろそれが正解だ。
しかし、彼女のような芸能人は、自分を批判してくる「敵」のような人間を顧客としなければならないという、
パラドキシカルな状況に常に置かれている。
これは、つい最近ニュースになった国会議員についても同じだ
(もっとも、彼の場合は公人であるので、一概にプライバシーの問題では片付けられない部分もある)。
彼のような国会議員は、自らをバッシングしてくるような層も、
それが有権者である以上、投票してくれる顧客としてできる限り味方に取り込まなければならない。
擁護してくれる層も同様に顧客である分、芸能人よりは楽かもしれないが、
それでも、敵を顧客にしなければならないという意味では、同じ苦労がある。
そう見てくると、芸能人や政治家は、あらためて大変な職業だと思う。
彼らはそれを承知の上でやっているのだろうが、いくら稼げるとしても、オレにはその気持ちは分からない。
それ自体が才能の差なのかもしれないが。
【今日のまとめ】
まあ、楽な仕事はないのだが。
というわけで。
- 2016/02/13(土) 20:00:00|
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