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怠惰と汗と現実と

キムラヤスヒロ(鳩)公式ブログ

適正価格のものを買えない賃金

先日のツアーバス事故のように、格安商品に関する事件や事故が起きるたび、
「安全を犠牲にして価格を下げるのはおかしい。価格は上がってもいいから、安全を確保すべきだ」という意見を多く耳にする。
それはツアー商品に限った話ではなく、食品にも言える話だ。

そうした意見はまったくその通りで、オレはそれに異論はない。
通常なら、それを満足に遂行するために行われるべき仕事に応じて商品の価格が決まるものだが、
現状はまず価格ありきで、それに応じて本来必須の仕事が削られているから、時に悲惨な結果を招くことになる。

そもそも、必要な仕事が行われていないのなら、それは本来「商品」の水準に達していない。
未完成のものを完成品として売っているのと同じだからだ。
「高くてもいい」という話ではなく、それなりの価格になって初めてそれを売ることができる。
そうした商品だけが流通するべきで、いくら「それではやっていけない」という声があったとしても、
そうでない商品は市場から排除されなければならない。

だが、そうしたそれなりの価格の商品だけが無事に市場に流通するようになったとき、
世の多くの職業の賃金体系が現状と変わらなければ、その産業は成り立たない。
月に10万円の稼ぎの人間が11万円のツアーに行くことはできないし、
食費が月に3万円の人間は、3万5千円のコースを食べることはできないからだ。

それなりの価格かそれ以上の商品しか市場に流通していない社会では、
その金を用意できない人間には、それを買わないという選択肢しか残されていない。
「安全性が担保されていなくてもいいから、自分の稼ぎでも買える安いものを買いたい」という望みは叶えられない。
安全なものを買うには、この社会の賃金体系はあまりにも低い。
だが、「だから、危険なものを安く買うのは仕方ない」という結論は存在しない。
単に、なにも享受できないというだけだ。

オレは別に、社会全体の賃金の低さに愚痴を言っているわけではない。
稼ぎたければ、稼げる職業を探し求めれば済むだけの話だからだ。

だが、そうなると、社会一般よりも高い給料を稼いでいる一部の人間しか、
旅行に行くことも、コース料理を食べることもできなくなる。
早稲田を出て一流企業に内定しているエリート学生であっても、
満足に旅行の経験すら得られないまま社会に出ることになる。
それが数年後、数十年後の社会にどういった影響を及ぼすかは、ある程度想像がつく。

端的に、人口が多すぎるというのも一員だろう。
人間が供給過剰だから、国内に流通する貨幣を分け合うと、どうしても低賃金にならざるを得ない。
だが、単に淘汰を待っているだけでは、特に若者を中心としてこの国はジリ貧になる。
それを防止するためには、賃金を上げるしかないのだが、
どうやらその気配はほとんど感じられない。

【今日のまとめ】
まず職が欲しい。


というわけで。
  1. 2016/01/20(水) 23:04:22|
  2. 日記
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