どうも最近は「結婚や子育てはコストパフォーマンスが悪い」と言う人たちがいるらしい。
要するに、出費が増えるから無駄なことだと言いたいのだろう。
そう考える事自体はその人の勝手だし、否定するつもりもないのだが
「コストパフォーマンスが悪い」と言って結婚や子育てを否定するのは危ない。
危ないというか、いわゆるブーメランになる。
コストパフォーマンスというのは相対的な部分と絶対的な部分を合わせ持つ。
たとえば、ある電化製品があるとして
その電化製品が「コストパフォーマンスが良い」とすれば、「価格の割に良い」ということになるが
それは他の電化製品と比較しての、相対的なものだ。
他方で、同じ電化製品を使っている複数の人がいるとした場合
彼らの持つ電化製品が発揮するパフォーマンスはどれも同じだから、その意味で絶対的なものであることになる。
そうすると、趣味などは基本的にコストパフォーマンスが悪い。
満足感を金で満たすことになるが、精神的な満足ならきっと他の行為でも得られる。
労働だってコストパフォーマンスが悪いし、
極論を言ってしまえば、生きること自体が最もコストパフォーマンスが悪い。
ただ生きているだけで腹は減るし、生活費は必要だし、税金は課される。
訴えられたり逮捕されるリスクもある。
その度合いは当然個々人ごとに異なるが、それらが全くないという人はいない。
「コストパフォーマンスが悪い」という理由で物事を否定するなら、
趣味を持たず、働かず、自殺するのが最も理にかなう。
しかし、それでもたいていの人は趣味を持っているし、働いていて、当然生きている。
それは、それらのことが好きであったり、必要であったりするからだ。
結局、好きだったり必要であれば、コストパフォーマンスは関係ない。
逆に言えば、「コストパフォーマンスが悪い」と言って物事を否定するのは、
その人にとってその物事が好きではなかったり、不要だったりするからだ。
なら、「結婚や子育てはコストパフォーマンスが悪い」などと言わずに、
単純に「結婚や子育てに興味がない」と言えばいいだけの話だ。
コストパフォーマンスを理由にしてしまえば、では自分の趣味はどうなのか、仕事はどうなのかと
余計な考え事を増やすことにつながり、それこそコストパフォーマンスが悪い。
結婚や子育てが万人にとっていいことだとは思わない。
望まない結婚や子育ては時に悲劇を生むし、結婚や子育てをしない人間が非国民扱いされる社会でもない。
それが嫌であれば単に「嫌だ」と言えばいいだけの話であって
それはコストパフォーマンスの問題ではない。
【今日のまとめ】
ゲシュタルト崩壊。
というわけで。
- 2015/09/25(金) 10:43:53|
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