昨日のセントライト記念に出走してきたミュゼ軍団の二頭の勝負服が変わっていた。
JRA所属の競走馬の騎手が着る勝負服は、その馬の馬主のものだ。
要するに、馬主が変わったということだ。
ミュゼプラチナムの経営が危ないというニュースは耳にしていたので
債務整理の一環として所有馬も売り払われたのだろう。
ミュゼのオーナーの所有馬が出走し始めたのは2012年の秋だから
3年も保たず、きわめて短命に終わったことになる。
「勝負服が変わった」ということで思い出したのが
同じセントライト記念を2001年に勝利したシンコウカリドという馬だ。
「シンコウ」の新興産業といえば「黒装束」とあだ名された黒一色の勝負服で有名で
シンコウラブリイ、シンコウキング、シンコウフォレストなど活躍馬を多く所有していたが
この会社が倒産すると、所有馬はやはり売り払われた。
シンコウカリドもその一頭で、2001年の春先までは「黒装束」で走っていたが
皐月賞からは飯田正氏の黄色い勝負服に変わった。
「ミュゼ」や「シンコウ」、少し前は「フサイチ」、最近は「メジロ」もそうだったが
オーナーが変わっても、現行のルールでは馬名を変更することはできないので
その馬は引退まで「ミュゼ」や「シンコウ」の冠名を背負って走り続ける。
多くの競馬ファンは「この冠名といえばこの勝負服」という刷り込みがあるから
オーナー変更によって冠名と勝負服が一致しなくなった馬を見ると違和感を覚えるのだ。
ちなみに、地方競馬で走っている元JRA所属の馬も、地方に行くのと同時に馬主が変わることが多いが
地方競馬の勝負服はほとんど全て騎手の柄だから、こうした違和感は少ない
(オーナーが変わっていない場合でも勝負服が変わるからだ)。
オーナーが変わっても、かつてのオーナーが与えた冠名を背負って引退まで走り続ける競走馬たち。
冠名だとか、それが変えられないというのは人間が作ったルールであって馬には関係も責任もないのだが
オレはそこに何となく悲哀を感じてしまう。
親が死んだ幼い子供に、同情が必ずしも良いことではないと分かりつつも、どうしても哀れみの目を向けてしまうように
こうした馬たちにも、「お前も大変だな、いろいろあったんだな」と同情してしまうのだ。
もっとも、それは馬券の購入には結び付かないのだが。
冠名という日本競馬独特の(もっとも、「キングプローン」のような海外競馬での例もあるが)慣習は個人的には好きだ。
大金が動くことだし、馬主にも様々な事情があるのは分かるが、
一競馬ファンとしては、一頭の馬は引退まで同じ馬主であり続けてほしいと思う。
【今日のまとめ】
メイショウフェイク。というわけで。
- 2015/09/22(火) 16:56:40|
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