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競馬は本質的にギャンブルではない

JRA(日本中央競馬会)の機関誌「優駿」の最新号を読んでいたところ、
その中の杉本清と武豊の対談で、最近の競馬中継は馬券の当たり外れにフォーカスしすぎている、という話題になっていた。



そこで、武豊が「いまだに、競馬場では馬券を買わなくてもいいということを知らない人がいる」と言っていたのが印象に残った。
競馬界の第一人者で、騎手会長である彼が言うのだから本当にそうなのだろう。

競馬場は、中央でも地方でも入場料さえ払えば入ることができ、馬券の購入は必要ない。
ただフードコートで食事をしたり、場内の公園のようなエリアで遊んだり寝ていたり、馬が走るのを見ているだけでも問題はないし、実際にそのような客も少なくない。
主催者としては、入場料や飲食代だけでもそれなりの利益になるので、そのような客を許容しない理由がないからだ。

冒頭の話題に戻ると、競馬のギャンブル面にあまりフォーカスしすぎたPRを行うのは危険だ。
「ギャンブル」というフィールドで勝負してしまうと、他にもっと割がよかったり面白いギャンブルが登場した場合に、競争で負ける可能性があるからだ。
これから日本にもカジノが導入される可能性が充分にある中においては、
ギャンブルであることを一番の売りにすることは、競馬の生存戦略として疑問視すべきだ。
そもそも、現時点でさえ、単にギャンブルをしたいだけなら、別に競艇や競輪やオートレースでもいいのだ。
競艇や競輪やオートレースではなく競馬をやってもらうには、競馬の良さをアピールするほかない。

そもそも、競馬は本質的にギャンブルではない。
サッカーくじなどと同じように、競馬という競技を賭けの対象にしたギャンブルが行われているというだけにすぎない。
競馬はあくまでスポーツなのだ。
これは、ブックメーカーが馬券を売っている海外の競馬場を考えればわかりやすい。
競馬の主催者はただ馬を走らせているだけで、それを対象にしたギャンブルを行っているのはブックメーカーという第三者だ
(だから、海外の競馬場は入場料がサッカーの試合並みに高い場所もある)。
日本の競馬は主催者が馬券を発売しているのでやや複雑な部分はあるが、
競馬というスポーツを賭けの対象にしているだけという点では、本質的な違いはない。
ポーカーやルーレットのような、それ自体がギャンブルになっているゲームとは異なるのだ。

競馬というスポーツを野球やサッカーのように観戦に訪れるファンが増えれば、
必然的に、競馬場で売られている馬券の売上も増える。
競馬が他のギャンブルに負けないためには、競馬というスポーツの魅力をもっと発信していかなければならない。

TCKの大井競馬では、的場文男騎手の日本最多賞を盛り上げるキャンペーンが数多く行われている。
そこには馬券の陰はなく、的場騎手を純粋にアスリートとして称え、彼の鉄人ぶりをアピールする姿勢が見て取れる。
もちろんJRAも頑張っているのは百も承知だが、現状ではやはり足りない。
少なくとも、民放の競馬中継において、馬券が当たった外れたで盛り上がっているのは、無駄な消耗だとオレは思う。

【今日のまとめ】
武さん4000勝のサイトは素晴らしい。


というわけで。
  1. 2018/08/31(金) 22:00:22|
  2. 競馬
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