
これは先日鎌倉の「パーラー扉」で食べたホットドッグだ。
店のメニュー表によると、1950年代の創業当時から製法や味を変えていないそうだが、
確かに、細長く具もレタスなどであることが多い現代のホットドッグとは見た目からして一味違う。
ウインナーはボイルではなく焼いてあり、
そのため反り返っていて、フォークで上手くパンに押し込まないと食べにくい。
ウインナーの下は玉ねぎのソテーになっていて、
これも噛んだ際に玉ねぎの繊維が糸を引いてしまい、綺麗に噛みきれないのだ。
ケチャップやマスタードもボトルやパウチパックでなく皿に盛ってあり、
それを小さなスプーンですくって掛けるので、綺麗に塗るのが難しい。
このように食べる難易度はなかなか高いのだが、味のほうは、どこのホットドッグよりもうまい。
オレは平成生まれの人間なので、
昭和の情景としてよく語られる「家族揃ってデパートに行き食事をする」という経験はほぼないのだが、
このパーラー扉でホットドッグを食べると、もちろん想像でしかないが、
そのデパートでの食事の特別感というのはこういう感覚だったのかな、という気持ちを味わえる。
パーラー扉は数年前にリニューアルされ、店内は小綺麗なのだが、
本当の「昭和感」だとか「昔ながら」というものは、古臭い建物や調度品によってでなく、
場の空気感によって醸し出されるのだということを身をもって感じる。
そしてその空気感は、老舗である豊島屋の自信がそうさせるものだということは言うまでもない。
【今日のまとめ】
今度はベーカリーの方も試したい。というわけで。
- 2016/08/31(水) 22:22:49|
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