津田大介氏のメルマガに頻繁に登場し、最近ではコーナーも持っている
速水健朗氏による本。
タイトルからも分かる通り
単なる「ラーメン本」の類ではなく、
ラーメンという食べ物が占める地位や
ラーメンが象徴する対象の時代ごとの変化を追いながら
我が国における愛国心やナショナリズムの変遷を分析していく、という内容。
愛国心・ナショナリズム関係の本はあまり漁ったことがなく、
それほど深い興味があるわけでもないから
立ち入った分析や感想はできないのだけれど、
そういう自分のような人間でも、身近な「ラーメン」という題材が使われていることで
比較的スムーズに読み進めることができた。
中でも、最近のラーメン屋がこぞって「和」を意識し、
作務衣を着てタオルを頭に巻くような風潮に対する
作者のツッコミは痛快。
特に、その手のラーメン屋(「麺屋」とか「麺工房」とか名乗る)の壁に書かれた人生訓を指す
「ラーメンポエム」という新語は珠玉
(作者はこの手のラーメン屋を批判したり、馬鹿にしている訳ではないようだけど)。
他にも、知っていることではあったが
日本人にパン食が浸透した背景だったり、
ラーメン二郎の歴史など、
純粋に読み物として楽しめる箇所も多い。
速水氏(「ラーメン嫌い」らしい)がこの本を書くに至ったきっかけは、
冒頭にリンクを貼った津田氏のメルマガのVol.17
「プレゼントコーナー Expanded」に詳しく書かれているので、
興味があればそちらも参照いただきたい。
というわけで。
- 2012/01/27(金) 15:19:59|
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