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怠惰と汗と現実と

キムラヤスヒロ(鳩)公式ブログ

やっぱり「新幹線大爆破」



高倉健が亡くなったニュースで世間はもちきり。
正直、そういう世代でもない自分は健さんの映画はあまり知らない。
しかし(というか、あまり知らないからこそ)、
以前にエントリを書いたこともある「新幹線大爆破」の健さんの演技・役回りは
そんな自分の中でも強く印象に残っている。

高度経済成長の真っ只中、そうした世間の変革に馴染めなかった健さん演じる沖田。
経営していた町工場が倒産し、金を得る術のなくなった沖田は
似た境遇の若者2人を子分にして
経済成長の象徴たる新幹線に、金を払えば解除するという条件付きで爆弾を仕掛ける。

最終的に沖田たちの計画は失敗し、子分の2人は死亡。
沖田も狙撃されて壮絶な最期を遂げるのだが、
そのシーンの沖田の背中から漂う哀愁こそが、高倉健の魅力なんだと思う。
ほかの演技力が高くてルックスの良い俳優が同じシーンを撮ったとしても
この哀愁は出せない。
背中一つで哀愁を語れる俳優。
陳腐な言葉かもしれないが、これこそが「レジェンド」なんだろう。

この映画を見ていなかったら、ただの寡黙でダンディなおじさんだと思っていたかもしれない。
背中で何かを語れる男というのはかっこいいもので
自分もそうなりたいと思うのであった。

【今日のまとめ】
Blu-ray出してほしい。


というわけで。
  1. 2014/11/19(水) 22:27:33|
  2. 映画
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たまこラブストーリー








昨日、MOVIXさいたまの舞台挨拶付き初回を運良く観ることができた。
観たばかりの感想は上記の通りで、帰ってパンフレット等を読んでみてもその大枠は変わらない。

これは元々インタビューなどで言われていたことだし、舞台挨拶で山田監督も言っていたが
本当に直球のラブストーリーで、ひねりも何もない。
映画での新キャラはバトン部の新入部員というモブキャラ1人だけで
新たな男子キャラを巻き込んでの三角関係だとか、
逆境を乗り越えたドラマチックな恋愛だとかいう要素は皆無である。

もち蔵がたまこを好きだというのはTVシリーズでも十分すぎるほど描かれていたし
たまこの性格上、もち蔵から告白を受ければ彼女がどういう反応をするかは
TVシリーズが好きだった人たちであればあるほど、その予想解は概ね一致していただろう。
メインの二人、みどり、かんな、史織、あんこの四人の成長という要素はあるにしても
「本当にこれが映画なのか」と驚いてしまうほど平坦な展開に終始する作品だ。
乱暴に言ってしまえば、
「もち蔵がたまこに告白し、たまこは最初それに戸惑うが
最終的にその気持ちを受け入れて結ばれる」というだけの物語で、おそらく誰一人の期待も裏切らない。

しかし、この映画が凄いのは、そんな恐るべき平坦なプロットでありながら一つの興行作品として無事に成立し、
そして誰もが納得する結末を描いている点である。
なぜ成立するのかと言えば、(もちろんこれはTVシリーズを元にした他のアニメ映画の多くにも言えることだが)
キャラクターへの感情移入、もしくは理解が前提になっているからに他ならない。
もし「たまこまーけっと」の設定を用いない完全にオリジナルの世界観で
全く同じプロットの映画を作ったなら、酷評どころの騒ぎではないだろう。

「たまこまーけっと」ではデラ・モチマッヅィという鳥が狂言回しとして毎度のように活躍し、
当意即妙な発言でたまこたちの心の間隙を巧みに突いては、彼女たちを成長させた。
デラは、特殊な能力を持っているわけでもなく、極めて平凡な一般市民でしかない
たまこたちの持つ愛嬌や個性を引き出し、視聴者に伝達するトリックスター的存在だったのである
(これは、「バンド」という、観客の存在を前提とし、かつ結束力を前提とした共通項を持った5人が
内輪ノリだけで終始成長していった「けいおん」とは異なる点だ)。

デラの活躍がなければ、たまこやもち蔵は我々にとって「ただの知らない人」でしかなかったのに
デラを、「たまこまーけっと」を通して、我々はあたかも彼女たちが友人であるかのような距離感、パラダイムを与えられた。
だから、ごく平凡な恋愛を見せ付けられてもそれが楽しく、映画として成立する。
友人の恋愛を応援するのは楽しい。
それは映画に登場する桃太郎・犬山がもち蔵を応援する気持ちと同じだ。
本作にデラは一瞬しか登場しないが、彼こそが本当の主役なのかもしれない。

久々に良い予定調和を見せてもらった気がする。
見る前から結末の予想がつき、そしてその通りに終わったのに、まったく損した気分がしないどころか満足したのだから。

【今日のまとめ】
OPの豆大バージョンの方が好きだな。


というわけで。
  1. 2014/04/27(日) 09:12:06|
  2. 映画
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「新・のび太の大魔境」を観た話

齢二十四にしてドラえもんを観て泣くとは。
リメイクだから同世代ばっかり来てるのかと思ったけど周りはちびっ子だらけでした。

・ストーリーが良い
これはリメイクだから当たり前なんだけど。
別に新作を否定するわけではないものの、
やっぱりF先生が書いた話の方が結局面白い。

「大魔境」はもともと大長編の中でもかなり好きな作品。
冒険する世界が道具に依存していないのが良い。
それも宇宙や地球外・過去や未来でなく、同じ地球上の別の世界。
そのせいか、もちろん犬の王国というSF世界なんだけど、なぜか行けそうな感じがしちゃうんだよね。
出木杉のヘビースモーカーズフォレストの話とか昔信じてたし。
そういえば「ソ連とアメリカが~」のくだりはなかった。そりゃそうか。

リメイクは正統派。
ほぼ原作と旧劇通りで、いわゆる改悪や強引な変更はなくて、変更点はむしろパワーアップ。
サベール隊長(CV:小栗旬)とのび太の殺陣がいい感じにかっこよくなっていて最高だった。
そしてジャイアンとペコのシーンも原作の無言コマがしっかり生きててここで号泣した。
歌が武田鉄矢じゃない以外は最高。

あとダブランダーの最期は旧劇と違って原作通りになってたな。

・作画が良い
これはTVシリーズもそうだけど。
これだけ破綻せずぬるぬる動かせるっていったいどれだけの労力が…
EDには大量の外国人の名前が出ていたので外注しまくりだと思うんだけど、
シーン毎の違和感はまったくないし、引きの画でもキャラの顔が崩れないのは圧巻。

・巨神像がパ○フィック・○ム
終盤の戦闘シーンが完全にイェーガー。
あれたぶん原子力で動いてるよ。だから王は封印したんでしょ。

・しずかちゃんがエロい
これもTVシリーズと共通だけど。
先取り約束機のシーンで帰ってアレしたちびっ子多そう。

あとは普通に犬ペコかわいいしCOWCOWの声も全然聞けるし
入場者特典のおもちゃもいまだにこういうの配ってるんだって感じで懐かしいしとにかく盛りだくさん。
満足度が高くて突っ込みどころがない良い映画だった。見るべき。

【今日のまとめ】
夏のCG版はチェンジで。


というわけで。
  1. 2014/04/03(木) 22:51:56|
  2. 映画
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新幹線大爆破





宇津井健が亡くなったというニュースを耳にして、
ふと思い出したのが「新幹線大爆破」。
DVDを持っていて、今でもたまに見る。

「スピード」の原作、との噂があるようなないような、要するにそういう映画である。
内容が内容だけに実車での撮影を許してもらえず
当時にCGなどあるわけもなく、ゲリラ撮影した車両とショボい模型の特撮が突然切り替わったりする
(爆発する時に一瞬だけ膨れ上がる0系の模型がかわいい。)

主役兼悪役は高倉健で、
宇津井健は新幹線の司令室長。
「スピードが落ちると爆発する」という無茶な爆弾を取り付けられた新幹線が走行している、
もうすぐ終点に着いてしまう、という状況下で
できるだけ人の少ない場所で爆発させるしかない、しかしそれでも人は死んでしまうという
サンデルさながらの苦渋の選択を強いられる役回り
(もちろん結果的に助かるんだけど)。
ちなみに運転士はJJサニー千葉千葉真一。

最後に高倉健は死んじゃうんだけど
そのシーンの哀愁を誘うBGMが良いんだよね。

悪役側にもしっかりとしたドラマがあって
その辺がいかにも往年の東映って感じで良い。

完全なB級映画なんだけど
昔の映画ってかえってB級くらいの方が面白いよね。

【今日のまとめ】
ひかりは西へ。

というわけで。
  1. 2014/03/14(金) 21:58:54|
  2. 映画
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まどマギ新編

さや杏
▲このコンビが一番好きだし、ソウルジェムレプリカも杏子のものだけ持っているくらいなので嬉しい。

当然ながら(?)初日初回に観てきた。深夜は流石にパスしたけど。
台風が予想されていて、結局逸れたものの雨がしとしと降る中
朝8時前なのにグッズ購入列に1000人くらい(盛ってなくてホントに)並んでて驚いた。
MOVIXさいたまで観たので、
アリーナ方面のツール・ド・フランス目当ての群衆とコクーン側のまどマギ信者とのコントラストが面白かった。

映画本編は「こう来るのか」という驚きもなくはないが
予想していたわけではないものの、後編の後に映画一本持ってくるとしたらこうするしかないよなと納得。
賛否両論でもしかしたら否>賛みたいな状況かもしれないけど、個人的には良かった。
冒頭の「カラフル」の時の映像がかなりこたえたけどね。
最後の魔女文字は結局読めなかったが
あれが「二期に続く」とかだったらどうしましょう。

ストーリーは複雑なようで意外とそうでもなく、
一瞬「えっ!?」となるものの、頭の中で整理できるレベル。
キュゥべえって結構な「話したがり」だよね。しかも話が上手い。
数段オチ的な展開の耐性は仮面ライダーの映画なんかで充分鍛えられている
(もっとも、あちらはそもそも辻褄を気にしていないフシがあるが)。
そういう意味では、もしかしたら劇場でもう一回は観ないかもしれなくい。もちろんBDが出たら買う。

作画はやっぱり良かった。
前後編のBDを見た後で再放送のTVシリーズを見ると物足りなく感じるほどだったが
新編はほぼ全パートが新シーンながらその高レベルは維持されていた。
終盤のほむらのゲス顔、良かったな。
パンフにそのカットが載っていないのが少し残念。

そんなわけで特にネタバレもない感想を少し書いてみた
(正直そこまでインパクトのあるネタバレはないんじゃないのと個人的に思う)。

キュゥべえボウル
▲キシリクリスタル7袋と引き換えに。こっち見んな!

【今日のまとめ】
ClariSの声が毎回成長してて面白い。


というわけで。
  1. 2013/10/29(火) 21:04:19|
  2. 映画
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「主に、オレの望みと喜びで。」

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