怠惰と汗と現実と

キムラヤスヒロ(鳩)公式ブログ

「死ね」と「落ちろ」以外の野次はいい

馬券が外れたのを騎手のせいにするな、と言う人がいる。
それはその通りだ。
馬券を買う側には買わない自由もあるので、はじめから買わなければいいだけだからだ。
馬券が外れたのはその馬券を自分が買ったせいであって、騎手のせいではない。
だから、それで騎手のことを批判するのはどうなのだろうかとオレは思う
(もちろん、批判することは自由だが)。

だが、それは、「馬が負けたのは騎手のせいではない」ということではない。
明らかに、騎手のせいで馬が負けたというケースは多いし、
それは調教師やスタッフという関係者が騎手を批判することが少なくないことからもはっきりしている。
だから、競馬をひとつの競技として見た場合に、
自分の応援していた馬が負けたことに対して騎手を責めることは、間違ったことではないとオレは思う。
サッカーのサポーターなどは、自身の応援するチームが負けた時にひどく罵ったりするが、
それは応援するがゆえに出た言葉である。
これは、馬券が外れたから批判することとはまったく違う。

オレは、「死ね」と「落ちろ」以外の野次はいいと思っている。
野次はギャンブル場の風物詩であり、競馬関係者の側もそれありきで動いている
(ベテランの騎手など、「最近は野次が少なくて寂しい」と言うほどだ)。
鉄火場は野次がなければ成り立たない。

なぜ、「死ね」と「落ちろ」が駄目なのかといえば、単純明快だ。
それは、騎手が死んだり、落馬して怪我をしたら、競馬が成り立たないからだ。
オレたちが馬券を買えるのは、騎手が生きていて怪我をしていないからであって、
その前提を破壊する言葉は許されない。

競馬場やWINSに行ってみるとわかるが、
玄人の競馬オヤジは、罵詈雑言は多いが、まず「死ね」と「落ちろ」は言わない。
そんなことを言うのは、にわか者のバカだけだ。
競馬オヤジは競馬が好きなので、その競馬を自ら終了させてしまう言葉は使わないのだ。

最近はインターネットで馬券を買う行為が普通になり、競馬場にほとんど行ったことのない競馬ファンも増えた。
また、JRAのCMで観客の野次がクローズアップされることは当然ながらない。
だから、彼らは罵詈雑言の飛び交う鉄火場としての競馬場を知る由もなく、
そういうファンが観客の多くを占めるようになると、連鎖的に野次は減っていく。
それは悪いことだとは思わないが、いいことでもないのは確かだ。

【今日のまとめ】
でも渋谷のWINSは怖い。


というわけで。
  1. 2017/04/01(土) 21:29:02|
  2. 競馬
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

今年のJRAのCMは異様だが合理的だ

今年のJRAのCMは異様だ。
20代の男女がグループで競馬場を楽しむという構図は極めて普通だが、
彼らは場内で飲食をしながら色々と話しているだけで、レースをほとんど観ようとしない
(もっとも、これからレースを観るバージョンのCMが流れるのかもしれないが)。
競馬場には実際にそういう客も多く存在はするが、
JRAのオフィシャルなCMが、そうした、競馬場に来ながらもレースを観ず馬券も買わない客をクローズアップするのは、やはり異様だ。

もっとも、異様だが、それが実情なのだろう。
3場すべての馬券が買えるようになってから(昔は裏開催は準メインからしか買えないのが当たり前だった)、
まともにパドックや返し馬を見て予想して馬券を買うという観戦方法は、現地観戦ではほとんど不可能になった。
明らかに時間が足りないのである。
競馬場では、馬券を買うことに専念するか、パドックで好きな馬を眺めることに専念するか、
スタンドでレース観戦に専念するくらいしかできない。
だから、馬券を本気で買いたい競馬ファンは、競馬場にはなかなか行かない。
現地では予想する暇がない。
家でグリーンチャンネルを見ながら即PATで馬券を買う方が、
レースも楽しめるし、予想の精度も上がるし、交通費や飲食代もかからないので、全体的にプラスだ。

そうなると、JRAは、あまり競馬に興味のない層を競馬場に呼び込むしかない。
競馬に興味のない層は当然レースにも興味がないので、
彼らが金を落とすのは主に場内の飲食店である。
競馬場ではそれなりにうまいジャンクフードがたくさん売っているので、
特に敷地の広い府中では、それらを食べながら場内の芝生に寝転がっているだけでも充分楽しめる。
競馬ファンそのものは減っていないが競馬場に来る競馬ファンが減ったいま、
そうした需要を取り込むことで利益を上げるべく、CMでレースを観ない客をクローズアップするのは賢明な選択だ。

よく、馬がメインのCMにすべきだという声がネット上で聞かれるが、
馬に興味のない人間を引き込むためのCMで競馬色を強くしても効果がない。
それで喜ぶのは既存の競馬ファンだけであって、新規開拓にはならないからだ。

だから、今年のJRAのCMは異様だが合理的であり、オレは納得する。

【今日のまとめ】
ユーミンの方のイメージCMは好きだが。


というわけで。
  1. 2017/01/29(日) 17:17:36|
  2. 競馬
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

馬が死ぬのは悲しい

競馬を見ていると、レース中に馬が故障し、そのまま馬運車で運ばれて安楽死となったり、
ひどい場合はその場で横たわってそのまま死亡するという場面に遭遇することがそれなりにある。
そういう時、観客の反応はさまざまだ。

故障した馬は気にせずにレースの推移を見守る人もいれば、
レースそっちのけで故障した馬や落馬した騎手の心配をしたり、涙ぐむ人もいる。
ひとまず結果を気にしつつもレース後に馬を心配する人もいれば、
レース後でもまったく気にしない人など、いろいろなファンがいる。

それは各自がどこに力点を置いて競馬を見ているかの問題なので、何が正解という話でもない。
金がかかっているのだから結果が気になって当然だというのも正しいし、
サラブレッドは経済動物なのだからそれも運命であって特別悲しむことではないというのも正しい。
他方で、好きな馬が死にかければ悲しいのは当然だというのも正しく、
競馬はブラッドスポーツなのだからその血が後世に受け継がれなくなることを悲しむのもまた正しい。

どれも正しいので、誰がどう感じようとオレはどうでもいいが、
ことオレはというと、レースの結果はひとまず気にするが、その後に故障した馬が心配になるパターンだ。
オレは特定の馬を応援することはほとんどしないが、
それでも馴染みのある馬が死んだり大怪我をするのはやはり悲しくなる。
騎手や調教師など、関係者の鎮痛な表情を見ていると余計に辛くなるものだ。

上にも書いたが、競馬はブラッドスポーツだ。
日本の近代競馬は、元々は軍馬育成のために始まった。
強い馬の子供を残して種を選別し、優秀な軍馬を作るのが目的だったから、
極端な話、競走馬は子孫を残すことにだけ意味がある。
重賞レースなどで、それまでに重賞を勝つなどして活躍した馬が骨折して死ぬケースはそれなりにあるが、
それは競馬の目的を果たせないことになるし、
何より、自分が昔見ていた馬の子供が競馬場で走るのを見るという、競馬ファンの特権が失われるのが悲しい。
その意味では、「競馬はギャンブルで競走馬は経済動物だから馬の故障はどうでもいい」という話も本末転倒な気がする。
競走馬がみんな死んでいなくなれば、ギャンブルの対象となる競馬も行えなくなるからだ。

もっとも、それはあくまで血が繋がらなくなることへの悲しみだ。
オレはそもそも死というものをあまり悲しまない。
競走馬でなく人の死でも、オレはあまり落ち込んだことがない。
死は避けられないものだし、生きていれば誰かの死を目の当たりにすることは当然のことだからだ。
人も馬も、ただ運が悪いというだけで死ぬことがある。
だから、オレは好きな馬が死んでも競馬をやめることはない。

【今日のまとめ】
現地で見ているか否かでもまた異なる。


というわけで。
  1. 2017/01/28(土) 22:39:14|
  2. 競馬
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

役に立たない競馬歴

家を片付けていたところ、小学5年生の頃の家庭学習のノートが出てきた。
家庭学習と言っても学校のカリキュラムの一環で、
学校が休みだった日の日記のようなものを書いて提出し、
それに担任がコメントをくれるという簡単なものだ。

それを見返すと、オレは「ナリタブライアンのビデオを見て感動した」というようなことを書いている。
オレは小学3年生の頃から競馬を見ていたので、2年ほど経ったその頃は相当に夢中になっていたのだろう。
オレの5年生の時の担任は大学で馬術をやっていて国体にも出た人だが、
そんな先生でも、オレの熱中ぶりに少し引いている様子がコメントからも見て取れた。

このことから分かるのは、ただ競馬を見ていても馬券は上手くならないということだ。
オレは馬券が下手だが、競馬を見始めて今年でもう19年、すなわち20年目なのである。
なのに、回収率はここに書くのが恥ずかしいほど低い。

すなわち、オレは馬券を買えない時からレースを見ていたからか、予想が下手なのである。
もちろん、中には大人顔負けの本格的な血統分析や展開予想をする子供もいるのだろうが、
オレは、ただレースを見て強い馬が勝つのを楽しむということに慣れすぎてしまった。
それはスポーツ観戦としてはきっと正しいが、馬券にはまったく役に立たない。
ここ最近に競馬ファンになった人とのオレの差は、せいぜいムダ知識の量くらいだ。

だが、楽しめるというのはそれはそれでいいことだ。
馬券も外れ、レースも楽しめないのであれば、それは最悪である。
もちろん馬券が当たってレースも楽しめるのが一番いいのだが、
たとえ馬券が外れてもレースを楽しめれば、娯楽としての競馬は正解だ。

もちろん、競馬は馬や調教師や騎手だけでなく馬券の買い手にとっても勝負なので、
馬券で勝っている人間の方が正しいし偉い。
それは間違いのないことだし、オレだってできれば当てたいし勝ちたい。
だが、競馬で勝ち続けられる人間はほんの一握りですらない。
それを考えれば、負け続けても楽しめている人間だって、ある意味で正しいとオレは思うのである。

【今日のまとめ】
競馬博物館のビデオコーナーには世話になった。


というわけで。
  1. 2017/01/26(木) 20:16:50|
  2. 競馬
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ハンデキャッパーの凄み

今年も中央競馬が始まった。
オレは重賞しか買わないので、東西の金杯だけ1000円だけ購入したが、どちらも外れた。
回収率も的中率も0%である。
しかし、それを言ったら昨年のリーディングジョッキー戸崎圭太もまだ今年未勝利なのだし、
年初の数字で焦る必要はまったくない。
勝つにせよ負けるにせよ、この手のものは、最終的には一定の数値に収束していくのである。

金杯はハンデ戦だが、JRAのハンデキャッパーはやはり優秀である。
2歳重賞しか勝っていないとはいえ、クラシックで活躍したエアスピネルが56.5キロというのは少し軽いのではないかと思ったファンも多いだろうが、
いざ終わってみるとハナ差の辛勝。
人気馬が僅差で勝つというのは、各馬の実力を斤量で平均化するハンデ戦において最も美しい結果だ。
エアスピネルがもし57キロなら負けただろうし、56キロなら半馬身はつけていたかもしれない。
このレースの斤量を担当したハンデキャッパーは、さぞ今夜の酒がうまいだろう。

JRAのハンデキャッパーの凄さを新参ファンに紹介する際の代表的なレースが、
1993年、まだ2000メートルだった頃の京都金杯である。



ゴール前の大混戦の映像を見てもらうだけでも凄さが伝わると思うが、
1着から16着までのタイム差がわずか1.0秒しかない。
普通、いくらハンデ戦とはいっても、勝ち馬が突き放したり、途中で何馬身か離れたり、
最下位の馬が置いて行かれたりしてもっとばらけるものだが、
このレースでは見事に、ハンデキャップの結果、全馬がほぼ均等の能力を発揮したのである。
しかも、それでいて1・2番人気での決着である。
23年前のレースだから現在とは違うハンデキャッパーの仕事であろうが、
彼らの教えはきっと現在のハンデキャッパーたちにも受け継がれていることだろう。

さて、きょう勝ったエアスピネルは結果こそ辛勝だったが、
2着のブラックスピネルとは1.5キロの差があったから、実際には完勝だったといえる。
陣営はもともとマイル路線がベストと考えていたようだし、
事実、これでマイルは4戦3勝2着1回なのだから、その見込みは正しいようだ。
古馬王道路線はサトノダイヤモンドやマカヒキがしのぎを削るのだろうが、
マイルでは同世代のエアスピネルが王座に君臨するのか。
新年早々、楽しみなレースを見せてもらった。

【今日のまとめ】
レインボーラインはどこへ向かうのか。


というわけで。
  1. 2017/01/05(木) 20:28:51|
  2. 競馬
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ

広告欄

ぜひクリックをお願いします

広告欄その2

ぜひこちらもクリックをお願いします

プロフィール

キムラヤスヒロ(鳩)

「愛って暗いね、ナハトムジーク。」

DLミニアルバム「愛って暗いね、ナハトムジーク。」6曲入りmp3/WAV、300円(税込) 詳細はこちら

右サイドバー用

インターネット土鳩に寄付する(1口10円、シングル「フリスク」付き)

当ブログやメールマガジン、その他活動を充実させるための投げ銭支援をお願いしています。 特典(一口から)として、シングル「フリスク」のmp3およびWAVファイルを差し上げます。 ※振込みでのご支援にも対応いたします。mail@kimurayasuhiro.comまでご連絡をお願いします。

メールマガジン「インターネット伝書鳩」

メルマガ購読・解除
キムラヤスヒロ(鳩)公式メールマガジン「インターネット伝書鳩」

読者購読規約
>> バックナンバー
powered by まぐまぐ!
 

インターネット土鳩のほしい物リスト

ご支援をお願いいたします

ほしくないと言えば嘘になる物リスト

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

インターネット土鳩にメールする

ご意見・ご質問などございましたらお気軽にメールください

名前:
メール:
件名:
本文: